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 《論評》ベトナム、「5月トラブル」を引き起こす

2014-06-01 16:33:44     cri    

(中国現代国際関係研究院 陳慶鴻)

 最近の南海情勢に人々が憂慮している。ベトナムは国際法を顧みず、数十隻の船舶を派遣し、中国企業が西沙諸島の中建南海海域での正常な掘削作業に支障を与える一方、国内を扇動したため、反中デモが暴徒化し、多くの企業が損失を被ったほか、死亡者さえ出した。風薫る5月にベトナムは南海でトラブルを引き起こし、中国とベトナムの友好関係や地域の平和と安定に大きな衝撃を与えてしまった。

 西沙諸島は従来、中国領土である。漢の時代、中国人は南海を航行し、相次いで西沙諸島と南沙諸島を発見した。三国時代(西暦220-265年)万震の『南州異物誌』と康泰の『扶南伝』では、西沙諸島と南沙諸島の地形や風貌について描いてある。その後、宋代の『夢梁録』、元代の『島夷志略』、明代の『東西洋考』と『順風相送』、清代の『指南正法』、『海国聞見録』、さらに歴代の漁民が記録した『更路簿』など、いずれも中国人民が千百年来、西沙諸島や南沙諸島を訪れ、航行や生産の状況、そして2つの諸島の位置と島嶼の分布状況について詳しく記録してきた。中国の歴代政府も民衆の歩みを追って、西沙諸島と南沙諸島に対する管轄を行ってきた。例えば、北宋の仁宗帝(西暦1023-1063年)が自ら序言を書いた『武経総要』の記録によると、北宋の朝廷が広南(現在の広東省辺り)へ兵士を駐屯させ、戦艦を九乳螺洲(現在の西沙諸島)に派遣していた。即ち、北宋の時代、西沙諸島はすでに中国政府の管轄下にあり、その後、歴代の中国政府は一度も西沙諸島と南沙諸島の主権や管轄権を放棄したことはない。

 これに対し、ベトナム側が長い間、異議を持っていなかった。1956年6月15日、ベトナム民主共和国外務省の雍文謙外務次官が、ベトナム駐在の李志民中国臨時代行と会談した際、「ベトナム側の資料によると、歴史上では西沙諸島と南沙諸島は、中国の領土に属する」と明らかにした。また、1958年9月、ベトナムの範文同(ファム・ヴァン・ドン)首相が中国の周恩来首相に照会を送り、「ベトナム民主共和国政府は中華人民共和国政府が1958年9月4日に発表した領海決定に関する声明を承認し、それに賛同する」と正式に表明した。この『声明』には「中華人民共和国のすべての領土には、東沙諸島、西沙諸島、中沙諸島、南沙諸島・・・が含まれる」と明らかに記録されてあり、範文同(ファム・ヴァン・ドン)首相の照会は、ベトナム政府が西沙諸島、南沙諸島は中国の領土であることを承認している証となる。ベトナム側が主権を宣言している黄沙諸島は、歴史資料に記述された地理的位置や長さ、面積、地形、風貌などから判断すれば、それはベトナム中部沿海地区の一部島嶼と沙洲だけである。

 西沙諸島の中建島南西17海里は中国の領内にあり、何の争いもない中国の専属経済区である。「海洋石油981」石油プラットフォームによる、この地域での作業は『国連海洋法公約』に符合している。ベトナムは武装船を含む60隻以上の船を派遣し、中国の作業船に衝突したり、海域に大量の鉄鋼漁網や木の杭、ブイなどの浮遊物を投下したりして、中国の主権権利を深刻に侵犯したほか、この海域の航行の自由と安全を脅かしている。さらに、ベトナム政府は、国内で民衆の反中の雰囲気を煽ることで、民衆が政府の腐敗や汚職、経済の悪化への不満を中国に移転させている。ベトナム政府の放任によって、反中デモは暴力事件になり、何ら罪のない4人の中国人が犠牲となり、多くの企業が損失を被った。ベトナム政府はこれに関し、すべての責任を負うべきだ。

 一方で、中国側は大きな自制を保っている。海域での作業前、中国海事局は往来船舶の安全を確保するため、3回の航行勧告を出していた。事件が起きた後、中国の公務船と作業船は守る態勢を取ったが、連日、武装船を含むベトナムの船舶から数十回以上の衝突を受けた。中国政府は両国関係や地域の安定を考慮したうえで、5月20日までにベトナム側と30回以上、交渉したものの、ベトナム側は海上での干渉活動を止めず、いたるところで、でたらめな理屈を主張している。

 ベトナム側がこのような強硬な措置を取る目的は、新しい紛争を作り出し、南海での私利を拡大することにある。ベトナムは、米国のオバマ大統領の東アジア訪問及びASEAN(東南アジア諸国連合)サミットのタイミングを見計らい、中国側の海上作業に干渉し、南海での紛争を盛り上げようとした。その目的は、一方で米国のアジア太平洋地区でのリバランス戦略における自国の利用価値をアピールし、他方でASEANの中での南海紛争の拡大を狙っている。事件後、米国は中国への非難を繰り返す一方、ベトナムによる海上での挑発行為や暴行に目をつぶっている。ASEAN諸国はおおよそ公正な態度を取ったものの、情勢への不安と憂慮も隠さない。このような緊迫化した情勢は、ベトナムが狙うものだ。

 中国は従来から一貫して周辺諸国との善隣友好関係を重視し、地域の平和と安定維持に力を尽くしている。南海紛争についても、関係各方面が互いに満足できるような解決策を探すため、中国・ベトナム海上低敏感分野協力専門家作業部会や北部ワン湾口外海域作業グループメカニズムなどを設立した。2013年には、中国とベトナムは海上共同開発交渉作業グループを設立し、関連作業が順調に進んできた。それだけに思いもよらなかったことに、今回、ベトナムは双方関係や地域の平和と安定の大局を顧みず、「5月トラブル」を引き起こした。ベトナム政府はこのような悪質事件の責任を負い、損害賠償し、中国人民に謝罪しなければならない。(06/01 Lin、山下)

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