中国の李克強首相は9日の午後、ブルネイのバンダルスリブガワンで、ミャンマーのテイン・セイン大統領、マレーシアのナジブ首相、オーストラリアのアボット首相、アメリカのケリー国務長官とそれぞれ会談しました。

　テイン・セイン大統領と会談した際、李首相は「中国はミャンマーの国内和平プロセスの推進を支持し、ミャンマーと共に両国の国境地域の安定を維持したい。ミャンマーが引き続き中国とASEAN・東南アジア諸国連合の関係発展に建設的な役割を果たすよう期待する」と述べました。

　これに対しテイン・セイン大統領は、「ミャンマーは中国と緊密に協力し、両国の全面的戦略協力パートナー関係の発展を推進していきたい。来年ミャンマーはASEANの議長国となるが、ASEANと中国の関係発展でより大きな役割を果たしたい」と述べました。

　ナジブ首相と会談した際、李首相は「来年は中国とマレーシアの国交樹立40周年にあたるが、中国はミャンマーと戦略的な政治相互信頼を一層深め、経済貿易と金融などの分野での協力を拡大し、両国の全面的戦略パートナー関係と中国とASEANの戦略的パートナー関係の安定した発展を推進していきたい」と述べました。

　これに対しナジブ首相は、「マレーシアは中国と共に、両国関係を一層発展させるという両国の指導者が達した共通認識を実行し、協力の規模を拡大し、協力レベルを向上させていく。そしてASEANと中国の関係発展に努力していきたい」と述べました。

　アボット首相と会談した際、李首相は「中国とオーストラリアは戦略的視点から両国関係を処理し、経済貿易と金融分野での協力を推進していく。自由貿易協定の交渉を加速し、多国間メカニズムの下での協調と協力を強化し、両国の戦略的パートナー関係に新しい原動力を注ぐべきだ」と語りました。

　これに対しアボット首相は、「オーストラリアは中国との関係の全面的推進に尽力し、中国とのハイレベル交流と戦略的な意思疎通を強化し、両国の自由貿易協定の交渉プロセスを加速したい」と述べました。

　このほか李首相は、アメリカのケリー国務長官と会談し「中国はアメリカの債務上限問題を非常に重視している。またアメリカが対中ハイテク輸出の制限を緩和するよう期待する。中国はアメリカと戦略的交流と協力を強化し、共に世界経済の安定した成長を促進し、世界の平和を維持するために積極的な役割を果たしていきたい」と語りました。

　これに対しケリー国務長官は、「アメリカは中国の台頭を歓迎し、中国を重要な協力パートナーとみなしている。中国と戦略的意思疎通と協力を強め、チャレンジに共に対応したい」と述べました。（玉華、吉野）