中国の歴史学者は6日、『南京大虐殺全史』の出版発表会で、「旧日本軍が中国を侵略した時の、中国や朝鮮の『慰安婦』に言及する場合は『性的奴隷』と表現する」と明らかにしました。
南京大学南京大虐殺史研究所の張憲文所長は、「『慰安婦』は旧日本軍人の角度からの表現であり、事実は、被害国の女性は誘拐されたり強制されたりして旧日本軍の性欲をはらす対象にされた。そのため、旧日本軍のいわゆる『慰安婦』は、『性的奴隷』なのだ」と述べました。張憲文所長が編纂した『南京大虐殺全史』は、中国で初めて「性的奴隷」という表現で旧日本軍の「慰安婦」に言及した歴史書で、表現の変化は旧日本軍に凌辱された中国人女性やその他の国の女性が「被害を受けた立場にあること」を強調しているということです。
性的暴行は南京大虐殺で旧日本軍が中国国民に対して犯した主な暴力行為の一つです。旧日本軍の南京占領期間中、数万人の中国人女性が旧日本軍に強姦され、殺害されました。その残虐さは人類史上でも稀なものです。『南京大虐殺全史』は多くの歴史資料を引用して、旧日本軍の暴行を実証しています。例えば、1948年の『極東国際軍事法廷判決書』によりますと、旧日本軍が南京を攻撃した1カ月間、南京で7万以上の強姦事件が発生し、「南京敵人犯行調査委員会」の報告によりますと、南京大虐殺の間に合わせて8万人の女性が旧日本軍に強姦されたということです。
今年の7月、クリントン米国務長官の指示により、米国では、すべての文書や声明の中で、日本語を直訳した「慰安婦」という表現の使用が禁じられ、「脅迫された性的奴隷」に変わりました。韓国政府も「慰安婦」を類似の表現に代えることを検討中だということです。
14章110万字からなる『南京大虐殺全史』は、南京大虐殺の歴史をこれまでで最も完全に記録した研究著作です。(Lin、大野) 暮らし・経済へ
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