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 日本のゲームが世界で受ける理由は西洋文化との融合

2012-10-22 14:27:10     cri    

 日本には家庭用ゲーム機「PlayStation 3」(ソニー)や「Wii」(任天堂)、携帯ゲーム機「PlayStation Vita」、ニンテンドー3DS など多くのヒットゲーム機がある。また、代表的なゲームソフトにはドラゴンクエストやファイナルファンタジー、ゼルダの伝説、スーパーマリオ、ポケットモンスターなどがある。日本は世界最大のゲーム生産国で、数々のゲームを欧米諸国に進出させ大ヒットを記録してきた。しかし一方の欧米諸国のゲームは日本ではなかなかヒットしない。「人民網」が報じた。

 日本の電子ゲームには以下の3つの特徴がある。

 (1)レベルアップすることに達成感を覚える

 米国人と日本人の違いは、前者はファーストパーソン・シューティングゲームが好きなのに対して、後者はロールプレイングゲームが好きで、自身が操るキャラクターがレベルアップしていく時の達成感を楽しむ。コミュニケーション学中の使用と満足理論の啓発を受け、米国の電子ゲーム研究者は「ゲーマーがゲームをするのには、▽達成感の追求▽ソーシャルコンタクト▽ゲームの世界に浸る---の3つの動機がある」と指摘。一方「コンシューマーゲーム中の達成感はゲーマーにとって重要な要素となっている」。

 日本で最も流行したファイナルファンタジー(エニックス)とドラゴンクエスト(エニックス)には、レベルアップしていくために長い時間をかけて「修行」を積まなければならない。中国人は伝統的に儒教の思想の影響を受けており、「修行」は国家を治めたり、家を斉(ととの)えたり、平和にしたりするための根本で、「統治者から庶民に至るまでひとえに己の身を修めることから始めるべきである」と考えている。また「大学の道は、明徳を明らかにするにあり、民を親たにするにあり、至善(しぜん)に止(とど)まるにあり」との考えの影響を受け、日本の電子ゲームのエピローグで、ゲームの主人公が最高レベルに達したり、超最強の武器を手に入れたりし、善である状態にとどまるという意味の「至善に止まる」という状態に達する。ドラゴンクエストシリーズにでてくる「もろはのつるぎ」や「天空のつるぎ」、「王者のつるぎ」、2回攻撃ができる「はやぶさのけん」、ファイナルファンタジーシリーズの「ラグナロク」や「ソロモンの剣」などがゲーマーを夢中にさせる最強のアイテムとなっている。日本だけでなく、中国や韓国のゲーマーもオンラインゲームのキャラクターがレベルアップしていったり、武器などの装備を探したりするのが大好きだ。この種のゲーム形態は欧米人が好きなシューティングゲームとは明らかに異なる。

 (2)「芸術」と化しているゲーム

 日本のゲームは米国のようにコンピューターグラフィック(CG)を駆使した迫力ある視覚効果を楽しむのではなく、美しく興味をそそる音楽を使ってゲーマーを魅了する。日本のゲームは非の打ちどころのない芸術品のようでもある。

 アニメやゲームはもともと密接な関係があり、中国ではアニメーション、コミックス、ゲームの3つを「ACG」とする総称があるほどだ。日本には世界一のアニメ産業があり、電子ゲームと結合して共に発展を遂げている。例えば、ドラゴンクエストの原画デザインは人気アニメ「ドラゴンボール」の作者・鳥山明氏だ。「ドラゴンボール」は中国に人気小説「西遊記」の影響を大きく受けたアニメで、世界で3億5千万冊を販売した。そのため、鳥山氏が製作に関わった「ドラゴンクエスト」は登場するとすぐに、ゲーマーらの間で大人気となった。

 一方、「ファイナルファンタジー」の画像と音楽も好評を博している。ファイナルファンタジーシリーズのゲームのキャラクターデザインは画家・天野喜孝氏が手掛けている。天野氏は米国のスーパーマンやバッドマンの生みの親イラストレーター・ボビー・ニール・アダムスの影響を大きく受けており、ファイナルファンタジーなどには西洋の雰囲気が深く漂っている。そして、ファイナルファンタジー7以降は、若手の野村哲也氏が天野氏の後を継いでキャラクターデザインを担当するようになった。その理由は野村氏の画風が簡潔明瞭で3Dに適していたからだ。人気のファイナルファンタジーの音楽は独学で才能を発揮した作曲家・植松伸夫氏が担当している。植松氏は12歳の時にピアノを始め、子供のころから英国のシンガーソングライター・エルトン・ジョンのファンだった。エルトン・ジョンは1970年の「僕の歌は君の歌」のヒット以降コンスタントに活動を続け、現在までに全世界で2億5千万枚のレコード・セールスを記録。グラミー賞やアカデミー賞を何度も獲得している。香港のスーパースター「歌神」と称される 歌手・張学友や中国におけるロックンロール創始者といわれる崔健なども70年代、絶頂期だったエルトン・ジョンの影響を大きく受けたといわれている。植松氏の音楽はファイナルファンタジーの面白さを一層引き立て、その才能が広く知られるようになり、世界中でコンサートを開催するように。中国の女性トップ歌手・王菲もライブでファイナルファンタジー8の主題歌を披露したことがある。ファイナルファンタジーの生みの親坂口博信氏はこれら優秀なデザイン家や音楽に恵まれ、ゲーマーに「芸術作品」を提供している。

 (3)文化の「交雑」

 グローバル化時代の文化は「交雑」の文化といえる。グローバル化は単に米国化していくということではなく、「雑種文化」を生んでいると考える専門家もいる。「交雑」とは農業用語だが、今では文化研究など広い分野で応用され、グローバル化の文化という分野を説明する言葉ともなっている。通常、グローバル化とは現代化する過程で頻繁に使われるようになった言葉だが、同専門家はもっと広い意味でグローバル化という言葉をとらえている。グローバル化は、アメリカ化と誤解している人も多い。同専門家によると、歴史や進化論という観点から考えると、この観念は非常に浅はか。人類共通の先祖はアフリカで出現したといわれており、その後、現生人類祖先とネアンデルタール人との交雑を経て、世界各地に拡散していったという説がある。人類も交雑を経験した生き物で、人類の文化も一種の交雑文化というわけだ。

 日本のゲームの特徴の1つは東洋と西洋の文化要素融合に成功していることだ。中国の清末民初の学者・辜鴻銘(ここうめい)は「中国文明の精華を真の意味で受け継いでいるのは中国人ではなく日本人。前漢(西暦前202年-8年)や唐(618-907)時代に中国文明が形成され、元(1271-1368年)ごろから遊牧民族の侵略を受け、踏みにじられ、侮辱され、断ち切られた。そして、その大部分が失われてしまった。一方の日本は元の初代皇帝・忽必烈の攻撃に耐え、海外でありながら中国文化を守った」と指摘したことがある。日本には、「三国志」や「三国無双」、「幻想水滸伝」など中国を大勢にしたゲームがたくさんあり、人気を博している。

 日本のゲームには東洋の要素だけでなく、西洋の要素も多く盛り込まれている。例えば、「スーパーマリオ」の主人公マリオの名前の由来は、NOA(Nintendo of America)の倉庫の大家であるイタリア系アメリカ人、マリオ・セガールが偶然にもこのキャラクターに似ていたからといわれており、鼻が高く、ひげを伸ばし、作業着を着た姿は西洋人にも受け入れやすいキャラクターだった。同様に「ゼルダの伝説」の主人公・少年リンクも金髪で青い目をしている。さらに、ドラゴンクエストのストーリーにも西洋の様式が組み込まれ、城や騎士、王女などが登場する。ファイナルファンタジーは現在、14作出されており、ストーリーは古代から現代までさまざま。主人公は常に西洋人をイメージした金髪だ。例えば4作目のセシル・ハーヴィ、7作目のクラウド・ストライフ、10作目のティーダなどだ。先ほど触れたように、ファイナルファンタジーは画像や音楽が西洋の影響を大きく受けていることが、西洋諸国市場で大きな成功を収めた大きな要因だ。しかし、これらのゲームは単に西洋化されたゲームというわけではない。例えば、ファイナルファンタジーには刀を持った武士や忍者のキャラクターも登場する。ドラゴンクエストにも、中国を象徴する龍のキャラクターや日本神話に登場する伝説の生物・ヤマタノオロチなどが登場する。今では日本の電子ゲームが「雑種文化」の典型的な例となっている。

 専門家は、「中国人は日本の研究を必ず重視しなければならない。なぜなら、日本は中国にとって脅威であるだけでなく、中国人と同じ黄色人種として、多くの模範を残しており、中国の欠けている部分を映し出してくれているからだ。日本との関係をいかにうまく処理するかは中国が今抱えている問題を解決するためのカギといえる。中国にも『仙剣奇侠伝』や『軒轅剣』、『大話西游』など人気となっているゲームがあるが、西洋諸国のゲーマーは中国古代の世界を理解できず、欧米諸国で人気を博すのは難しい」と指摘。別の専門家も「民族国家は未完成の国家で、世界的なゲームの中で民族国家と戦うと、必ず負ける」と指摘。中国は日本から学び、世界中の人々が受け入れられるゲームを生みださなければならない。(編集KN)「人民網日本語版」より

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