現地時間の7日、ロシアの大統領に当選したプーチン氏がモスクワのクレムリンで就任式を行いました。また、この日前大統領のメドベージェフ氏がプーチン大統領から首相候補として指名を受けました。世論は「この二人の『双頭政権』はロシアの復興と繁栄につながる礎だ」としています。
7日、クレムリン宮殿で行われた就任式には、上下両院の議員、内閣大臣、国防省幹部、および各国の駐在大使や特別来賓などおよそ3000人が出席しました。
就任式典に立ったプーチン大統領は演説の中で、「祖国に対する自分の責任をすべて理解している。国家の利益と安全を守り、国民を豊かにすることがいつでも私にとってなによりも大切なことだ。国や国民に奉仕することが私の生きがいだ」と述べています。
また、プーチン大統領は「ロシア国民が一致団結し、祖国を大切にして、民主体制、憲法上の権利および自由を強固なものとし、国家建設に一層積極的に参与すれば、自由、真理および公正という目標が必ず実現できるだろう」と語りました。
また、プーチン大統領は就任式の後、前大統領のメドベージェフ氏を首相候補として指名しました。関係筋によりますと、メドベージェフ氏の候補資格は8日午後の下院特別会議で検討され、決定が下されるということです。
ロシア連邦憲法に基づき、メドベージェフ氏が226票を獲得すれば次期首相となります。これ以前に、ロシアの政党「統一ロシア」と「ロシア自由民主党」がメドベージェフ氏の首相就任を支持する意向を示しており、この二つの党派が下院に占める議席数はそれぞれ238席と56席です。このため、メドベージェフ氏の次期首相当選は確実視されています。
ロシアの世論は、「プーチン氏の大統領就任は、近ごろのロシア国内における大きな出来事の一つであり、また、彼の指導の下でロシアはより強くなるだろう」と見ています。
専門家の話では、仮にメドベージェフ氏が順調に次期首相に就任し、同時に今月末与党・「統一ロシア」の党首に当選すれば、プーチン氏とメドベージェフ氏の間の権力移行が順調に進められていることを意味します。プーチン氏とメドベージェフ氏は同じ政治目標をもっており、国家利益を守るという面での方向性も一致しているため、この二人の「双頭政権」はロシアの復興と繁栄につながる礎だと見られています。
ところが、一方で「プーチン氏の3度目の大統領就任は歴史的な後退である」と批判する声も聞こえており、ある専門家は「政治制度と選挙制度を抜本的に改革しなければ、ロシアには活路がない」と指摘しています。去年の下院選挙から今年の大統領選まで、そして大統領就任式前に行われたデモ活動は、ロシア国民が積極的に政治プロセスに参加しようとしていることを物語っています。この視点から見ると、反対派の抗議活動や訴えなどにいかに対応するかが、プーチン大統領にとって、今後6年間の大きな課題となるでしょう。
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