モルディブのナシード前大統領は9日、モルディブを離れず、次期大統領選に出馬すると表明しました。この日、国連の高官がモルディブに到着し、政治的な斡旋を始めました。

　ナシード前大統領はこの日、自宅でメディアと支持者に対し、「モルディブが民主的な軌道に戻り、国際社会が関与を続け、モルディブ新政府を承認しないことを希望する。次期大統領選に参加し、勝利を収める」と述べました。

　この日、モルディブのナジム新国防相は、「軍は、憲法に基づいて就任したワシード大統領を支持する。同時に軍隊は憲法が授与した権力を行使し、国家の平和と安定を維持し、国民の生命と財産の安全を確保する。そして、引き続き、ナシード前大統領を保護する」としました。しかし、警察当局は、「刑事裁判所によるナシード前大統領と前国防相の逮捕命令を受け、9日、逮捕を実行する」と述べましたが、9日夜まで逮捕は実行されていません。

　国連のフェルナンデスタランコ事務次長補は9日夜、モルディブ入りし、地元の政治情勢について斡旋を行い、暴力行為を避け、平和な道筋を通じて、現在直面している危機に対応するようモルディブの国民に呼びかけました。

　なお、モルディブでは、前月末から大規模な抗議活動が続き、6日夜と7日午前、デモ抗議者を強行に排除するようにとのナシード前大統領の命令を、警察と軍当局が拒否した後、ナシード前大統領は辞任しました。憲法に基づいて、ワシード副大統領がナシード大統領から大統領職を引き継ぎました。（董燕華、大野）国際・交流へ