ベトナムを訪問中の中国の習近平国家副主席は、現地時間21日午前ハノイで、ベトナムのレ・ホン・アイン共産党中央常務書記、グエン・ティ・ゾアン国家副主席と会談しました。

　習副主席は、「複雑な国際情勢の下で、中国とベトナムが団結を強化し協力を深めることは、両国の安定や発展にプラスとなるだけでなく、社会主義事業や地域の平和と発展にもプラスとなる。中国はベトナムと共に努力し、5つの面で全面的戦略協力パートナー関係を推進していきたい」と述べました。

　5つの面とは具体的に以下の通りです。

　1つ目は、戦略的な意思疎通を強化し、政治的相互信頼を深めること。両国関係や互恵協力、および世界と地域の重大な問題について意見交換を適時に行い、問題解決に結びつけます。

　2つ目は、共産党の間の往来を密接にし、互いに学び合うこと。双方は両党の五カ年協力計画を実施し、経験を分かち合います。

　3つ目は、実務的な協力を深め、互恵のウィンウィン関係を実現すること。「経済貿易協力五カ年発展計画」を実行し、平等互恵、情報共有の基盤に基づいて、二国間貿易のバランスの取れた発展を徐々に実現します。2015年までに貿易総額を600億ドルにするのが目標です。

　4つ目は、人的交流を拡大し、友好関係を促進すること。双方は科学技術、教育、文化、保健、人材育成などの分野における協力を強化し、ベトナムに孔子学院を早急に成立させます。

　5つ目は、多国間協力を強化し、調和の取れた世界作りに努めること。東アジア、メコン川流域経済協力などの枠組み内において、ベトナムと交流と協調を保ち、発展途上国の利益を共に維持していきます。

　これに対して、レ・ホン・アイン常務書記は、「ベトナムと中国の善隣友好関係を発展させることは、ベトナム外交においてもっとも重要な地位に位置づけられている。現在の複雑で変化する国際情勢の下、両国は団結と協力を強化し、各分野において交流と協力を深める必要がある」と述べました。

　会談後、双方は、経済貿易、保健、マスコミなどの分野における協力文書の調印式に出席しました。（ooeiei、大野）