クレディ・スイス・アジア地域チーフアナリストの陶冬氏は18日、香港で、「中国は自らの方式で、人民元為替レートの改革を推進している。その一環として、内需を拡大するために、農村部から都市部への出稼ぎ農民労働者の賃金を絶えず引き上げた。これは人民元の実質的な値上げを牽引する重要な措置だ」と述べました。

　これはこの日開かれた「21世紀におけるアメリカとアジアの試練」をテーマにした会議で述べたものです。陶冬氏は、「現在、中国に人民元の切り上げを迫り、圧力をかける政治的な呼びかけの声がますます高くなっている。しかし、中国はこの問題において、すでに大きな進展を遂げた。過去2年間、中国は農民労働者の賃金引上げに力を入れ、2010年までに40%近く引き上げた。これにより中国では商品コストや価格の上昇が促がされた。また、これを受けて、外国の買い手が中国製品を購入する場合に、より多くの外貨が必要となった。これは別の形で人民元の値上げを後押ししている。人民元の値上がりは輸出および貿易市場における競争力を減退させたが、農民労働者は確実に利益を得た。この層の人々は内需を拡大するに当たっての基盤だ」と述べました。（董燕華、中原）暮らし・経済へ