中国の胡錦涛国家主席は12日から9日間にわたって、アジアとヨーロッパの3カ国を訪問し、2つの会議に出席します。中でも、中国とロシアの両国関係の新たな発展、および両国の首脳による現在、注目を集めている問題に関する意見交換が焦点とされています。
胡主席の今回のロシア訪問は、ちょうど「中ロ善隣友好協力条約」締結10周年にあたります。この条約は、中ロ関係の発展に非常に重要な影響を与えています。
過去10年間を振り返ってみると、中国とロシアの関係は著しい成果が上がっています。2004年、双方は、歴史的に引き継がれてきた国境問題を完全に解決しました。2006年と2007年、双方は互いに「国家年」を行い、また、2009年と2010年は、それぞれ「中国語年」と「ロシア語年」を実施しました。このほか、双方の国家元首と首相の相互訪問も頻繁に行われました。中国とロシアの貿易協力も絶えず発展しており、ロシアの中国駐在大使はこのほど北京で、「2010年、中ロの貿易額は590億ドルを超え、中国はロシアの第一の貿易相手国となった」と明らかにしました。
「調和の取れた世界」という中国の外交理念が初めて国家間の共通認識とされたのは、2005年胡主席がロシアを訪問した際でした。訪問の際、「調和の取れた世界」が「21世紀の国際秩序に関する中ロ共同声明」に書き入れられ、その後、国際社会に徐々に認識されるようになっています。
中国の程国平外相補佐官はこのほど、「胡主席のロシア訪問期間中、両国は『中ロ善隣友好協力条約』締結10周年の共同声明を発表し、両国関係の今後10年の発展方向を共に計画する。また、双方は、エネルギーや、金融分野などいくつかの協力文書に調印する」と述べました。
国際的に影響力のある大国として、国際問題における中国とロシアの態度と立場は、常に注目されています。現在、西アジアと北アフリカの情勢、イラン核問題、反テロなど注目を集める問題が多くなっており、中ロ両国の国家元首は、国際情勢や重大国際問題に関する共同声明を発表することになっています。
12日から20日にかけて、胡主席はまたカザフスタンとウクライナを訪問するほか、上海協力機構成立10周年サミットとサンクトペテルブルク国際経済フォーラムに出席します。専門家は「中国とカザフスタン、中国とウクライナの関係にとっても、上海協力機構の地域協力にとっても、今回の訪問は戦略的な面で実務的な影響を与えるに違いない」と見ています。(翻訳:Katsu チェック:大野)
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