ここ数年、公共外交は徐々にホットなキーワードとなりつつあります。このほど、「公共外交」という概念が初めて「国民経済と社会発展第12次5カ年計画綱要」の中に組み込まれました。専門家は「公共外交はすでに中国の外交活動の新しい立脚点となりつつあり、中国の外交活動は政府外交ばかりの状態から政府外交と公共外交が互いに助け合う形へと向かっている」としました。今日の中国リポートはこれについてお話しましょう。
「公共外交」は1965年に学者により初めて提起された概念で、二国間の往来過程において、政府間で行われる専門の外交を除いた外交活動はいずれも公共外交のカテゴリーに盛り込むことができます。政府外交の主要な目的は国家利益を維持することにあり、公共外交の主要な目的は国家イメージを改善し、作り上げることにあります。両者は共に国家の全体的な外交戦略を構成しています。
新中国成立から60年間、中国政府は豊かな公共外交の経験を積み重ねてきました。例えば、アメリカとの「卓球外交」は中米外交史における有名な出来事となりました。ここ数年、五輪外交や万博外交なども公共外交を通じて成功を収めた模範例と見られています。公共外交の役割がますます目立ってきていること から、中国「第12次五カ年計画綱要」に初めて公共外交の内容が加えられました。また、公共外交を強化し、民間の友好交流を広く行い、人文交流を推進し、中国人民と各国人民との相互理解と友情を促進することを提唱しています。これに対し、中国外務省外交政策諮問委員会の馬振崗委員は「当面、中国は重要な発展のチャンスを迎える期間にあり、新しい立脚点を必要としている」とした上で 「公共外交の概念が第12次五ヵ年計画でとりあげられたことはわが国の公共外交に対する重視度が更に高まっていることを示している。また、中国と世界の関係においても歴史的な変化が生じている。過去、多くの国がわが国を余り重視しなかったが、中国の台頭や世界という舞台における中国の役割と影響力が大きくなるに伴い、われわれは様々な方式を通じて中国の政策を説明し、世界に知ってもらい、中国のイメージを作り上げる必要がある」と述べました。
アナリストは「公共外交は政府外交の限界を補うことができる。政府外交は国家間の専門の外交官が行う外交活動であり、これらの外交官の長所は他国の外交官との交際に長けているが、一般社会との交流に長じていない。公共外交はこの部分の不足を補うことができる」としました。
「国力が日増しに強大になるに伴い、中国とアメリカなど伝統な強国との衝突はさけることができないが、中国は調和の取れた発展を求めており、われわれは政府外交を通じて他国の理解を得ると同時に、公共外交も不可欠な一部である」としました。
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