陝西省林業部門は26日、世界でも希少な鳥類、トキが今月上旬の時点で、中国では1617羽に増え、日本、韓国で繁殖されているのを含めると、合わせて1814羽に増えたということを明らかにしました。これにより、トキの保全状態は「極危」（極度に高い絶滅のリスクに瀕している）から「瀕危」（絶滅の危機に瀕する）に調整されました。

　トキは鳥の「東方の宝石」と呼ばれ、かつては中国、日本、朝鮮半島などに広く生息していましたが、環境の悪化などにより激減しました。野生のトキは一時期その姿を消してしまいましたが、1980年代、中国の陝西省で7羽発見されたことで、中国は野生のトキが生息している唯一の国になりました。

　ところが、専門家は、世界各地のトキは、陝西省で発見された7羽から繁殖されたため、極度の近親繁殖により、トキは世界の希少鳥類の中で、遺伝的多様性が最も低い種になったと指摘しています。（訳：FUYING 　チェック：吉田）　暮らし・経済へ