山形教授は2000年に瀋陽薬科大学で講義をするため、初めて中国に来ました。非常に熱心で、口を挟まず、まじめに講義を聞く学生たちの姿に感動し、山形教授は「ここで仕事をしよう」と心に決めました。それから3年後の2003年、同じ研究者である奥さんと共に再び瀋陽薬科大学に来ました。
一流の科学者を育てるために、学生と一緒に研究を続けています。山形教授が研究しているのは、世界一の難病、癌です。癌細胞の転移が分かれば、癌を抑えることができます。山形教授が今、学生たちとその基礎研究を行っています。
研究指導のほか、「学生を育てるには、自信をつけさせることが大事だ」と考え、学生たちに励ましの言葉をかけることを忘れません。山形教授の指導と激励のもと、学生たちは、研究成果を世界でもトップクラスの科学雑誌に投稿したり、世界各国の有名な研究室に呼ばれて勉強や研究を続けています。
また山形教授は、自分の知識経験を生かし、専門分野以外でも自分の力を発揮し、友好に尽力しています。
瀋陽では日本人が作った日本語教師の会という組織があります。この会は、中国人が会に所属する日本人と日本語で会話練習をしたり、日本語の雑誌やテキストを読むことができる日本語使用室で活動しています。山形教授は、実際に日本語を教えることはありませんが、「違う国に来て、自分たちの経験を生かし、助けようとするのは、なかなかいいね」と、練習場所を探したり、本を集めたり、ホームページの作成や更新を担当して、会の活動を自分なりにサポートしています。
「純真で、向上心があり、一生懸命研究をする」と、自分の学生たちの指導にも熱が入ります。また、「地元の人々も素朴だ」と仲良く付き合っています。
「自分には、バックグランドも権力もないけど、個人の付き合いしかやらない。しかし、個人個人が理解を深めることはすべての基本だ」と、山形教授は、瀋陽での生活を楽しんでいます。現在73歳の山形さんですが、実際の年齢よりかなり若く見えます。
中国が非常に気にいって、5年の契約を終え、さらにまた5年間の契約を更新しました。中国を最後の仕事場と考えています。仕事ができなくなった時、日本に帰って老後の生活をおくるとおっしゃいました。
瀋陽薬科大学で研究を続けながら、中日交流を実践している山形達也教授をご紹介しました。
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