これについて、清華大学国際問題研究所の劉江永教授は、中国国際放送局の取材に対して、次のように述べました。
「10日間の拘留時間で、日本側が日本の法律に基づいて中国人船長を起訴する可能性がある。起訴されれば拘置だけではなく、中国人船長は公務執行妨害などの罪が付けられ、罰金も課せられる。こうなると、この問題の解決は複雑化し長期化する。日本側の主な目的は、釣魚島とその周辺の島及び周辺海域への主権、またこの海域の実効支配と法律の執行権があることを明らかにことであり、もう一つの目的は、今後の中日関係を処理するに当たって、先例を作ることだ。そのほか一部の人は、これを利用して中国脅威論をつくり、米軍基地移転の問題を巡ってのアメリカと日本の緊張した関係を緩和し、日米軍事同盟をさらに強化する目的がある」
劉教授は、さらに、「全体からみれば、日本は大局と局部の関係、日本の国家利益をはっきりと認識していない。これは誤った戦略による間違いだ」と強調しました。
将来の傾向から見れば、まず、日本政府の内部でどう協調するかにかかっています。全般的に見れば、菅直人首相や仙谷由人官房国防長官はこれらの問題について比較的控え目の態度をとっていますが、日本の国益維持を強調すると共に、中国の軍事力増強に懸念を示しています。一方で、前原誠司外相は中国に対して強硬な態度を示しています。さらに、前原外相は近いうちにアメリカを訪問するということですが、アメリカと日本の戦略的協調関係に注意しなければなりません。アメリカは日本が中国に対し強硬な立場をとることを支持しているので、日本の中国に対する態度だけではなく、アメリカの意向を気にかけなければなりません。この角度から見れば、将来の情勢は楽観視できません。日本の強硬派は釣魚島事件を利用して民族感情を煽り、自衛隊の力を南西部に移して中国と対抗することによって、いわゆる「新防衛計画」を構築しようとしています。釣魚島は局地的な問題に見えますが、将来の日本の対中戦略及び軍事戦略、ひいては、日米の今後10~30年間に中国に対する戦略的態度を示唆しています。 (翻訳:任春生 チェッカー:大野)
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