それによりますと、ウェブサイトに載った動画では、面をかぶったETAの3人の指導者が、「もしスペイン政府に誠意があれば、バスク地区の平和と民主のプロセスについて、交渉すると表明した上で「バスク地区の自由を求める道は長く、真の民主実現のため、われわれは政治策略を調整すると共に、国際社会の援助を呼びかける」と話しています。
ETAが再び停戦声明を発表したことについてアナリストは「その主な原因は、バスク地区で平和を求める声が高まっていることであり、今年2月に区内の一部議員は平和手段による民主実現を提案している。この提案は区内で広く受入れられた。このため、ETAと多くのかかわりがある地元の左派政党は圧力を感じるようになっている。左派政党に2011年の地区選挙で議席を確保させるため、ETAはこのような圧力解消の措置を取ることを余儀なくされた。スペイン政府による強力な取締りにより、ETAは、政策調整に必要な時間を稼ぐことになる。この声明では、ETAの政治的立場は変わっておらず、武器を放棄して政府と平和交渉を進めるとは表明していない。したがって、この声明は人騙しらしくみえる」としています。
一方、スペイン国内の各関係方面は、この声明に慎重な姿勢を示しています。ルバルカバ内相は、この声明の内容について、更なる分析を行う必要があると強調しました。また一人の高官は報道機関の取材に対し「この声明の方向性は正しいが、暴力活動をいつから停止するか、また武力襲撃以外の暴力活動を停止するなどについては約束していない。この内容は、さきに政府が出した武器放棄の要求を満たしていない」と指摘しました
ETAは1959年に出来た組織で、スペイン北部のバスク地区とフランス南部のバスク地区の分離と独立を主張しています。この30年来、この組織は暗殺、拉致、爆発テロなどを繰り替えし、その結果1000人近くの命が奪われました。また、これまで数回にわたって停戦声明を出したものの、これまで1回も停戦を実行したことはなかったのです。(朱丹陽)
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