中国では、1999年から耕地を森林に回復させるプロジェクトが実施され、2009年までに、4300億元の資金を投入し、2766ヘクタールの耕地が森林に回復しました。18日に開かれた中国国務院弁公室の記者会見で、国家林業局の責任者は「今後10年間に中国はこのプロジェクトにさらに2000億元余りを追加投入し、生態環境を絶えず改善していく」と述べました。

　国家林業局退耕還林事務室の呉礼軍副主任は「耕地を森林に回復させるプロジェクトの基本的な目標は生態環境を改善し、気候変動への対応に寄与することだ。1999年にテストプロジェクトが行われてから、各機関と地区の組織と住民が積極的に参加し、著しい成果を上げた」と述べました。

　「耕地を森林に回復させるプロジェクトは、土壌の流失と砂漠化が深刻な地区を重点に置いている。10年来、森林面積は3ポイント向上し、2009年末までで、森林の面積は2766ヘクタール増え、そのうち、耕地が森林に回復した面積は920ヘクタール、荒地や荒れた山への造林面積は1840ヘクタールだった。調査によると、樹木生存率は90％以上に達しました」

　耕地の森林回復プロジェクトは、土壌流失しやすい耕地に、段階に分けて、人工造林を行います。国家林業局によりますと、現在、中国の森林面積は1億9500万ヘクタールに達しています。

　耕地森林回復プロジェクトは多くの政策の中でも、もっとも投資額が大きく、関連する分野は最も広く、参加する人数も最多の生態建設プロジェクトです。民衆の支持を受けている理由は地元の住民に良好な生態環境をもたらすだけではなく、耕地を失った農家には食糧と現金の補助があるからです。そして、政府は産業構造を調整し、これら農家の生計問題を長期的に解決しました。

　呉礼軍副主任は、「耕地を失った農家の多くは林業や副業と複数の経営生産に従事するようになった。一部の地区では、牧畜業や果樹園、花、薬草を栽培するほか、観光業などを大いに発展させ、農業の産業化経営と地方経済の発展を促し、農民のこれまでの生産と生活の方式を改めた」と述べました。

　今後10年間で、政府はこのプロジェクトにさらに2000億元余りの資金を投入する計画です。このプロジェクトの発展目標について呉礼軍副主任は「耕地を失った農家を積極的に指導し、森林の管理を強化する。欠損樹の補充植栽を行い、樹木の生存率と保存率を向上させ、乱伐と森林の退化を根絶していく。そして、関連産業を発展させ、耕作ができなくなった人々の食の確保や増収、長期的な生計問題を完全に解決していく」と述べました。（トウエンカ）