今月31日は、23回目の世界禁煙デーになります。これに合わせて28日、『2010年度中国喫煙抑制報告』が北京で発表されました。今日はこの報告の内容についてお伝えします。
喫煙による被害は、公共衛生上の世界的な課題の一つとなっています。喫煙は健康を損なう最も危険な要因とされています。中国はタバコの生産大国と消費大国として、その生産量は世界全体の1/3を占め、喫煙人口は3億5000万人にも上っています。中国政府は禁煙に積極的に取り組み、WHO・世界保健機関の「たばこの規制に関する枠組条約」に参加し、この4年で一連の措置を講じてきました。中国衛生省の李新華さんの話です。
「一部の公共の場で禁煙を実施している。去年、上海や杭州などの都市で公共の場での禁煙条例を発表しているが、今年は、より多くの都市がこれに加わっている。また、来年から、全国の医療衛生機関で全面的に禁煙を実施することにしている。」
今年の禁煙デーのテーマは、「ジェンダーとたばこ ~女性向けのマーケティングに重点をおいて~」です。統計によりますと、喫煙により、毎年20歳以上の女性150万人が命を失っています。これを放任していれば、2030年までに女性の死亡者数が250万人になるだろうと予測されています。また、その3/4は発展途上国の女性であるということです。これについて、WHO中国駐在代表の藍睿明氏は、報告書の発表会場で、次のように述べました。
「女性はタバコ企業の重要なターゲットになっている。一部の国では、男性の喫煙率が減少している一方、女性の喫煙が逆に増えている。中国の女性が独立しており、消費能力がますます大きくなっているため、喫煙の機会が多いと思われる。喫煙女性には不妊症や妊娠難、早産や胎児の死亡、母乳の減少、子宮ガン、乳がんなどが発生する恐れが高い」
なお、この日に発表された『2010年度中国喫煙抑制報告』によりますと、中国では女性の3%が喫煙し、約23%の若い女性がタバコを吸ったことがあるということです。また、この状況を阻止しなければ、女性の喫煙率が急速に増えてくることが指摘されています。このほか、およそ3億の女性が受動喫煙の環境におかれており、その健康がひどく損なわれているということです。
また、中国政府の禁煙措置について、中国疾患予防抑制センターの楊功カン副主任はこのように紹介しています。
「禁煙指導機関を政府に設置する必要がある。また、禁煙に関する法的整備も推し進める必要がある。さらにタバコ会社で、禁煙指導に関する取り組みを強化することにより、企業の禁煙への抵抗を食い止めなければならない」(閣、国清)
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