中国の若手作家・韓寒(ハン・ハン)さん
米タイムズ誌「世界で最も影響力のある100人」の選考作業が今年も始まり、アメリカのオバマ大統領や鳩山首相、シンガポールのリー・クワンユー元総理などの名前が候補者として、続々と上がっています。このそうそうたる顔ぶれの中、中国の若手作家・韓寒(ハン・ハン)さんがノミネートされていることが、人々の注目を集めています。オンライン投票は5月1日に締め切られますが、韓寒さんが最終まで残れるかどうかはまだ未知数です。ネットユーザーからの投票や応援を受けて、北京時間の5日午後8時現在、暫定1位のレディー・ガガ(LadyGaga)さんとは14万5909票差の1万6545票で暫定13位につけています。その一方で、韓寒さんの世界的な影響力を疑問視する声も投げかけられています。
■ ノミネートの理由
2004年から毎年行われているこの選考活動は「指導者と革命家」、「創業者と起業家」、「科学者と思想家」、「英雄とアイドル」、「芸術家とエンターテイナー」の5つのカテゴリーから、「世界で最も影響力のある100人」を選出します。今年の候補者200人の中には、オバマ大統領や、バンクーバー五輪の女子フィギュアスケート金メダリスト・ 金妍児 ( キムヨナ ) 選手、トヨタ自動車の豊田章男総裁などが名を連ねています。タイムズ誌は韓寒さんのノミネートの理由について「27歳のこの若手作家は、処女作で高校中退を背景とした小説を出版し、一躍中国のベストセラー作家となった」と紹介しています。
■ ノミネートに対する疑問
韓寒さんが候補者として選ばれたことが伝えられると、このニュースはネットユーザーの関心を集めました。中国の大手検索サイト「百度(バイドゥ)」に設けられている、韓寒さんに関するスレッドでは、韓寒さんへの投票が呼び掛けられるとともに、投票ページのアドレスや攻略法も公開されています。その一方で、韓寒さんのノミネートを疑問視する人々からは「(韓寒さんは)いつ世界的な人物になったのか。そのレベルにはまだ程遠いのではないか」という声も聞かれます。また、「韓寒さんと、オバマ大統領やビル・ゲイツ氏を一括りにする時点で、このランキングが単なるお遊びで、権威的でないことを示している」と、ランキングの権威性に疑問を投げかける声も上がっています。
■ 若者世代の代表――韓寒
韓寒さんのビジネス・パートナーであり、プライベートでも親しい付き合いのある、出版責任者の路金波(ロ・キンハ)氏は昨日、記者の取材に対し「韓寒のノミネートは名実伴なったもので、必ずトップ100に入るはずだ」と語りました。「韓寒さんの能力は多方面に渡っている」と話す路氏。「韓寒は中国の希望、新しい世代の声を代表している。この世代の若者は視野が国際的で、さっぱりしており、あまり深く考えないが、自分なりのこだわりを持っている。この世代で抜きんでているのが韓寒だ」と言います。
■ 韓寒の影響力を裏付けるデータ
ネットユーザーが、候補者に関する検索結果の件数を調べたところ、オバマ大統領は3370万件、アメリカのクリントン国務長官は522万件、韓寒さんは1760万件でした。これに対し、韓寒さんと同じカテゴリーに属するアメリカのトーク番組の司会者・オプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)さんはわずか2万6400件だったということです。もちろん、この調査は中国語による検索結果しか反映していないとの指摘もあります。
より多くのネットユーザーは韓寒さんのブログの影響力を根拠として挙げています。韓寒さんのブログは2006年に開設されて以来、クリック数はすでに1億ヒットを超えています。自動車レースに関する話題から、おとり捜査や、政府がインターネットの有害情報から青少年を保護することを目的として無料で提供しているアクセス管理ソフト「緑バ」、映画『孔子』、中国の国民的年越し番組「春節の夕べ」で一躍有名になったマジシャン「劉謙」に関する話題まで、韓寒のブログは幅広い内容を扱っています。ネットユーザーの統計によりますと、韓寒さんのブログに掲載された記事は、1本当たり延べ87万7070人が閲覧、延べ1万6653人がコメントを書き込んでいるということです。(翻訳:芋)
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