APECの第17回非公式首脳会議が14日、シンガポールで開催しました。アジア太平洋地区の21の国と地域がシンガポールに一堂に集い、国際金融危機への対応や世界経済の景気回復、地域の一体化強化などの課題をめぐって意見交換を行いました。
2時間あまりにわたって開かれた第1段階会議は、「地域連携の強化」について深く踏み込んだ検討が行われました。中国の胡錦涛主席は多国間貿易体制支持をテーマとする基調演説を行いました。その内容について、中国外務省の馬朝旭報道官は、「胡錦涛主席は『国際社会がともに国際金融危機に対応する背景の下で、多国間貿易体制の安定維持やドーハラウンドの交渉推進を成功させることは国際貿易の開放レベルの向上や保護貿易主義の抑制、世界経済の景気回復を促すことになる。また、これはAPEC参加国、特に発展途上国の世界金融危機の対応にとって、極めて重要なことであり、また、各方面の利益に合致している』と強調した」と述べました。
また、胡錦涛主席は発言の中で「最近、保護貿易主義が様々な形で台頭しつつある。国際金融危機にさらに対応し、世界経済の景気の全面回復を促すために各方面はそれに反対する決心を固めるとともに、確約したものを確実に履行すべきである。また、貿易摩擦を減少させ、さらに対話や協商を通じて貿易摩擦を解決すべきである」と指摘しました。
さらに、胡錦涛国家主席は中国が保護貿易主義に対して、どのように対処しているのかについて触れました。そのコメントについて、中国外務省の馬報道官は、「胡錦涛主席は、『中国は貿易と投資自由化、利便化の支持者である。また、公平や合理、非差別的な多国間貿易体制の構築につとめているとともに、積極的な姿勢でドーハラウンドの交渉に参加している』と語った」と説明しています。
今年はAPEC発足20周年にあたります。この20年の道のりを振り返ってみますと、APECは地域および全世界の経済成長促進の面で大きな役割を果たしましたが、新たな課題を抱えています。そのため、胡錦涛主席はAPECの今後の発展に3つの提案を打ち出しました。
第一には、この地域の貿易と投資自由化・利便化の提唱者また開拓者として、APECは引き続きこのプロセスを推進していくこと、
第二には、APECはより大きな経済技術協力成果を収めるために、その面への投資を増やすこと。特に、発展途上国に対して、技術移転を拡大し、経済技術協力のレベルを高めなければならないこと、第三には、APECは組織自体の活力を増強するために常に革新を行うことです。
このほか、胡錦涛主席は会議で「今後中国の関係部門と企業のAPECとの経済や技術協力への参加を支援するために、中国政府は1000万ドルの資金を拠出して中国・APEC協力基金を設立する」と発表しました。これについて、馬報道官は、「胡錦涛主席の基調演説は、APECの今後の発展に方向を示すものとなり、参加者に受け入れられた」と語りました。(劉非)
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