中国全国人民代表大会常務委員会は、27日、定例会議を開き、選挙法改正案を審議しました。これは、中国の立法機関による5年ぶりの選挙法改正となります。今回の改正によって、今後中国は都市と農村で人口に対して同じ割合で人民代表大会の代表を選ぶことになります。また、中国は選挙制度をさらに整備し、民主制度をさらに拡大します。

　1953年、中国は選挙法を制定しました。1979年、これを初めて改正しました。その後、4回改正を行いました。今回の改正の目的について、全国人民代表大会常務委員会法制工作委員会の李適時主任は、次のように述べました。

　「今回の改正の目的は、共産党の第17回全国代表大会の要求に基づき、これまでの経験をまとめ、人民代表制度を整え、社会主義民主政治を発展させる制度上の保障を提供するため、都市と農村で同じ人口の比例で人民代表大会の代表を選ぶことである」

　2年前に開かれた共産党の第17回全国代表大会で、共産党は、都市と農村で人口に対して同じ割合で全国人民代表大会の代表を選ぶ制度を徐々に実施することを提案しました。これは、中国社会では大きな反響を呼びました。今回の改正案が審議される前に、法制工作委員会は、8つの地域で調査を行い、各方面の意見をまとめました。

　国の発展とともに、中国は一人の人民代表が人口に占める割合を何度も改正しました。1953年、農村の人民代表が代表する人数は、都市の代表の8倍となっていました。1995年、この比例は4倍となっています。

　これらは、当時の都市と農村の人口の比例及び都市と農村の発展のアンバランスによるものです。しかし、経済の発展とともに、中国の都市と農村の関係も大きく変化しています。都市と農村で、人口に対して同じ割合で人民代表大会の代表を選ぶ機会が成熟してきました。これについて、李適時主任は、次のように語りました。

　「改革開放してから、都市と農村の経済と社会が急速に発展してきた。都市化が進んでおり、農村の経済と文化レベルが大幅に上った。これとともに、中国各レベルの人民代表大会では10数回にわたる選挙が行われ、選挙関連の経験も積んできた。同じ人口比例で人民代表大会の代表を選ぶ機会が成熟してきた」

　今回の選挙法の改正は、一部の注目されている問題が考慮されました。例えば、一部の地方の人民代表大会に政府の幹部が多い、各分野のエリートが多い。一方で、工場の作業員と農民の代表が少ないという現象があります。この現象に対して、今回の選挙法改正で、各レベルの人民代表大会では各分野から代表が選定され、さらに、これらの代表の中で、社会組織の末端からの代表を一定程度の数確保することが義務付けられました。