WHO・世界保健機関の福田敬二事務局長補代理は26日、ジュネーブで、「WHOは、専門家の意見を聴取した後インフルエンザの警戒水準を一部修正しようと計画している」と明らかにしました。これは、4月下旬から新型インフルエンザが全世界で流行していることを受けてWHOが警戒水準をフェーズ5に決めて以来、初めて修正の意を示したものです。
福田敬二氏は、「WHOは適切な調整を行い、警戒水準の定義を実際の状況に符合させるよう考えている。これに対して、WHOは専門家に諮問する」と述べました。
メキシコは今回の新型インフルエンザの発生地ですが、WHOが現地時間の26日発表したデータによりますと、全世界で新型インフルエンザに感染した患者は1万2954人に達し、そのうち92人が死亡しました。これらの症例は47の国と地域に分布しており、中でもアメリカが最も多く、6764人に達しました。一方、日本でも、感染が拡大しており、アジアでは発生状況が最も深刻な国となっています。また、中東地区のバーレーンは初めての感染者が確認され、クウェートとアラブ首長国連邦に次いで新型インフルエンザが発生した3つ目の湾岸地区の国となりました。現在の発声状況はすでに、北アメリカ、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アジアの多くの国と地区に拡大しているということです。
WHOのマーガレット・チャン事務局長は19日、日本で新型インフルエンザ(H1N1)の感染が大幅に増えているが、警戒水準をフェーズ5にとどめフェーズ6にあげる計画はないと語りました。一方、マーガレット・チャン事務局長は、「水準の設定は数年前の鳥インフルエンザの流行に従ったが、その時の死亡率は50%から60%に達していた。今回の新型インフルエンザの臨床状況は全く違っている。メキシコ以外の地域でそれほど厳しくない上、一部の患者は自然に治っている」と指摘しました。これにより、昔の水準設定は新しい疾病に対して全面的ではなく、調整が必要とされると言えるでしょう。
警戒水準にどういう内容を増やすかについて、衛生環境問題担当の福田敬二氏は、さらなる説明をしていません。しかし、最近のWHOの官僚や衛生専門家の発言から見ると、いくらかの内容が分かるでしょう。新しい水準は、ウィルスの毒性、拡大のスピード、致死率など、また新型インフルエンザ(H1N1)のウィルスが普通のウィルスと混合して変異や拡大する地域が広がるかどうかが、加えられると見られています。また、福田敬二氏は、「今回の新型インフルエンザのウィルスはまだ変異の初期の段階だ。今後の状態については十分な分析が必要だ」と指摘しました。
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