北後さんは40年前から、芸術文化チャリティー活動を始めており、今回は、月と太陽をそれぞれ描いた「太陽力」と「月優心」の2作に詩をつけ贈呈しました。
母親と兄が阪神大震災の被災者でもある北後さんは、「絵は無言で語りかけてくれる。見る人に勇気を与える。私の絵は、見た人に何かの役に立てば幸せ」だと話していました。北後さんはまた「月の光はやさしく、太陽は暖かく生命力を与えてくれている。明けぬ夜は一夜もなく、太陽が昇らぬ日は一日もない。人生には予期せぬ苦しみや悲しみがたくさんあるが、絶対に希望を捨てずに、一歩一歩元気を出し、生き抜いていただきたい」と作品に託した思いを語りました。
北川県の徐長法副県長は感謝状を読み上げ、「大地震が北川県の文化施設を壊し、チャン族の精神的なよりどころに由々しい被害をもたらしたが、内外の支援と注目に感謝する。これからも力をあわせ、新しい北川を築き上げるよう頑張っていく。大地震からちょうど1年になる今日、心情はたいへん重々しいが、こうしたイベントに参加できること自体も、被災地の回復と社会各界の支援を現したもので、たいへん有意義だ」と語りました。
北川県文化観光局の林川局長はチャン族の刺繍と大地震1周年の記念記章を北後美智子さんに贈呈しました。
北後美智子さんは1945年、和歌山県生まれ。アメリカ、フランスなど30カ国で生活し、2007年に上海美術館で個展を開催したこともあり、その作品は国連本部や東京都防災センターなどに収蔵されています。
北川県は中国唯一のチャン族自治県で、大地震により死者が15645人、行方不明が数千人出ており、20万軒の家屋が倒壊するという深刻な被害を受けています。(王小燕)
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