一年前の今日5月12日、四川省のブン川でマグニチュード8.0の大地震が発生しました。この地震で多くの尊い命が失われ、家屋が損壊、道路も寸断されました。その後、被災地住民は全国や国際社会の支援の下で復興や復旧作業に懸命に取り組んできました。震災から一年の今日、中国駐在日本大使館の宮本大使は、震災後日本の政府や地方自治体、企業そして市民レベルで行ってきた支援と協力を振り返りました。また、復興のために日本と中国が手を携えて共に汗を流している50項目のプロジェクトの進捗情況を説明したあと、「一衣帯水の隣人として、また長い交流の歴史と多くの文化を共有している友人として、中国の友人たちと心を一つにし、被災地の復興活動が終わる最後の日まで手を携えて共に努力していく」とのメッセージを中国の国民に送りました。
以下はメッセージの内容です。
四川大地震1周年に際して宮本大使から中国国民へのメッセージ
四川大地震が発生して一年を迎えました。まず、この地震により被災された方々に改めて哀悼の意と心からのお見舞いを申し上げます。
日本と中国は新しい時代の新しい日中関係を作り上げ、その中身を充実させ、日中関係を新たな一段高いレベルに引き上げる努力を重ねています。この新しい関係を「戦略的互恵関係」と言います。四川大地震から一年間の日中交流は、このような大きな関係を支える国民レベルでの相互理解と相互信頼の増進に大きく貢献しました。
日本は地震多発国であり、世界の地震の約2割が日本周辺で発生しています。日本では、これまでに何度も大地震が発生し、その苦しみを乗り越えることの辛さを十分経験してきました。それ故、日本の多くの国民が、テレビ等を通じて貴国で発生した四川地震の被害の大きさを知り、同じ人間として、また同じアジアの大切な隣人として、自分のこととして受け止め、出来る限りの支援の手を差し伸べたいと思いました。こうした気持ちは自然に湧き出てきたものです。震災発生後の支援・協力は、市民レベル、企業レベル、地方自治体レベル、政府レベルと様々な層で進められました。
地震発生直後、日本政府は、国際緊急援助隊の救援チーム、医療チームを被災地に派遣する等人的支援を行いました。また多くの日本国民が、老若男女問わず、それぞれ街頭で行われている募金活動等に参加し、日本赤十字等の団体を通じて資金・物資支援に参加しました。
復興の段階に入ってからは、特に、これまで日本が積み上げてきた地震に関する知識を中国と共有し、中国の復興に役立ててもらいたいと考え、日本の技術や経験、ノウハウ等ソフト面を中心とした5分野(まちづくり、健康・福祉、社会・文化、産業・雇用、防災)からなる50項目の協力内容リストを作成しました。被災から1年たった今日、50項目のほとんどが既に実施され、また現在もなお多くの日本人が現場で中国の方々と手を携えて共に汗を流しながら復興に取り組んでいます。
この1年間、日中の友情の輪はさらに拡がりました。多くの日本人が、被災地の皆さんが深い悲しみと辛く厳しい毎日を送られてきたとか、復興の過程がどれほど険しく長い道のりであるかということを、日本での自分達の経験から深く理解し、心からの支援を行いたいと思いました。一つだけ決して忘れないで下さい。それは、皆さんには中国の仲間がいて、世界の友人がいることです。とりわけ一衣帯水の隣人として、また長い交流の歴史と多くの文化を共有している友人として、我々日本国民は、中国の友人たちと心を一つにし、被災地の復興が終わる最後の日まで、皆さんと手を携えて共に歩んでいくつもりです。
リンク:在中国日本国大使館
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