キルギス政府報道局は4日、アメリカ軍へのマナス基地提供協定の廃除に関する提案を政府は承認しており、この提案を議会の審議に付すことをを発表しました。

　キルギス議会は5日にその審議を行うことになっていますが、キルギス政府とアメリカ政府が結んだこの協定によると、一方が協定の廃除を提出すれば、180日間後にこの協定は効力を失うとされています。

　キルギス政府報道局は、この協定の廃除について、「マナス基地を国際テロ取締部隊に提供した理由は、国際的な安全保障とアフガニスタン情勢の安定を維持するためである。現在、アフガニスタンの国家機関はすでに正常に運行していることから、この基地をこれからも提供する必要はなくなった」と説明しました。関係筋は、アメリカ軍が地元住民としばしば衝突することも基地提供の停止につながる原因の一つだと見ています。

　この件について、ロシアのカラシン外務次官は同日、「これはキルギス側が独自で決定したものであり、ロシアがキルギスに援助を提供したこととは関係ない」と表明しました。

　しかし、NATO・北大西洋条約機構のアパスライ報道官は「キルギス側の決定にロシアの影響があれば、これは憂慮すべきだ。これはアフガニスタンでの国際社会の努力を支持するというロシアの立場に背いているだけではなく、アフガニスタン問題でNATOと協力するというロシアの表明にも見合わない」と指摘しました。（丹・林）