世界金融危機の影響で、中国一部の中小企業が経営危機に陥っています。中国政府はこのほど中小企業の融資、税金の減免、市場シェアの拡大などに関する措置を講じて、中小企業の経営を支援する方針です。
統計によりますと、中国には中小企業が合わせて430万社あります。これら企業の生産額は中国のGDP・国内総生産の60%を占めており、雇用の創出にも大きく寄与しています。このことから、中小企業は中国経済の重要な部分だといえます。しかし、これら企業は規模が小さく、技術力が弱いといったことが原因で、世界金融危機の影響が受けやすい状況にあります。
中国の李毅中工業・情報相は「中小企業の経営危機が社会的な問題となった。これら企業が直面している大きな問題が資金難である」と指摘しています、また李毅中工業・情報相は、「この問題の解決には、中小企業の貸付に対する担保が必要である。すなわち、中央財政や地方財政が資金投入を拡大し、中小企業の貸付担保機構を作る。それとともに、中小企業が自分の資産や持ち株を抵当とすることを認めなければならない。これは現在、進行中である」と語っています。
去年末、中央財政は担保機構に10億人民元を投入したほか、中小企業への貸付金の限度を100万元から200万人民元まで増やしました。
この点について、重慶市の機械製造企業を経営する杜祥清さんに次のようなことが起きました。アメリカのある会社が杜さんの会社の製品を気に入り、2000万元相当の発注を行うことになりました。しかし、その注文に応じられるほど、杜さんの会社には資金がありません。そこで重慶市の担保会社が400万元あまりの融資を行いました。これに対し、杜さんは、「資金面で支援してもらった。もし、担保会社からの融資がなければ、わが社は業務を行うことができない」と語りました。
関係部門は中小企業のシェア拡大を支援しました。国家発展改革委員会対外経済研究所の張燕生所長は「欧米、日本市場の需要が縮小するにつれ、中国企業はラテンアメリカ、中東などの新興市場へ新たに販売ルートを広げつつある。また経済貿易協力エリアを作る形で、シェアの拡大を図るケースもある」と紹介しています。これについて張所長は、「中国の大手家電メーカーのハイアールグループはパキスタンで、ハイアールが先頭に立って協力エリアを作った。これにより、家電関連の中小企業がパキスタンないし南アジア市場へ進出しやすくなった。大手企業のほかに浙江政府も南アフリカで日用品の市場を作り、中小企業の進出を促した」と話しました。
政府は中小企業の産業構造の調整を進め、企業の市場競争力を高めるとともに大規模なリストラをせずに企業が直面する問題を解決しています。
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