中国共産党主催の農村活動会議がこのほど北京で行われました。
会議では、新しい年・2009年の農業や農村活動での主な任務は、農業や農村経済の安定した発展を保ち、食糧の安全や農作物の供給を確保し、農民の増収を促すことが明確にされました。そして金融危機という情勢の下で、農民の増収を確保することは、中国政府にとっては農村活動における重点だと専門家は見ています。
今回の農村活動会議では、去年・2008年の中国の食糧総生産は5億3000万トンで史上最高を記録し、この40年来初めて食糧総生産の5年連続増加を実現したことになります。会議はまた、今年も農産物を引き続き増産させていくよう要求しています。
これについて中国社会科学院農村発展研究所の党国英研究員は、「現在、世界範囲での食糧不足という背景の下で、中国が食糧の増産を促すことを決めたのは非常に賢明なことだ」と述べた上で、「ここ2年の状況から見てみると、農産物市場は工業市場と異なっていることがよく分かる。工業製品は世界範囲で生産過剰しているものの、農産物は不足している。そのため、農産物の増収に力を入れなければならない」と語りました。
いまの金融危機の拡大は、中国経済に影響を及ぼし、農業や農村の発展は衝撃をうけ、農民の増収実現は苦境に陥りました。東南の沿海地区では、輸出企業の発注が少なくなり、一部の農村からの出稼ぎ労働者はやむを得ず農村に戻っています。
いま、中国では、1億以上のこれら出稼ぎ労働者が都市や工業地区で製造業や建築業、サービス業などに携わっており、それによる収入は農民収入全般では大きな割合を占めています。ですからリストラされるこれら出稼ぎ労働者の問題が解決できなければ、農民の増収実現や農村社会の安定に影響を与えるだろうと人々は懸念しているのです。
これを受けて今回の農村活動会議は、都市部と農村部のインフラ整備によってこれら出稼ぎ労働者の就職問題を解決し、貸付での優遇や税金の減免、商工業登録、情報コンサルタントなど一連の措置を講じて農村に戻った人々の自らの起業にチャンスを与えることを打出しました。
これについて、社会科学院の党国英研究員は、「これはなかなかいいアイディアで、ほかの国にとっても農村経済を発展させる上では良い参考となるだろう。この措置の実施により農民の農村での就職チャンスは拡大され、都市部と農村部での農業人口の流動による圧力を軽くするので、これは経済発展の均衡性を促すだろう」と語りました。
去年、中国では、農民一人当たりの年収が4700元に達し、一昨年より8%増えました。そして今年の農民の増収について、党国英研究員は、「農村の余剰労働力の就職のチャンスはやっぱり都市にある。今年、農民の増収率を8%台に維持するのなら、農村からの出稼ぎ労働者の都市部での就職問題を解決しなければならない」と語りました。(01/04)
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