中国の立法機関はこのほど、社会各界に注目されている『社会保険法』草案を新たに審議しました。この草案は社会保険制度の基本的な法律の枠組を構築し、基本的な養老保険手続きを明確にし、徐々に全国で統一していくことを明らかにしました。これによって、省や地区を越える出稼ぎ労働者の養老保険の問題が解決されていきます。
現在、中国には社会保険は基本養老保険や基本医療保険、労働災害保険、失業保険、生育保険(出産育児保険)の5つの保険があります。1年前、「社会保険法」は初歩的に策定され、立法機関の初の審議を受けました。それから1年間の修正を通じて、現在、第12章91条は形式が大きく変わっただけでなく、内容も一段と詳しく具体化し、実用性が強化されました。
もっとも注目されるのは、基本養老金の異郷での受け取り方の具体化です。中国は土地が広く、省や地区を越えて出稼ぎに行く労働者数は多いものです。統計によりますと、現在、都市で働いている農民労働者の人数は1億3000人います。人材市場は、流動性が強く、就業が多様化されています。しかし、各地の基本養老保険はばらばらで移転することは出来ないため、多くの労働者が定額の基本養老保険を享受することが出来ていません。このため、収入が低く、流動性の強い農民労働者の中から、保険未加入の現象が出始めました。南の都市東莞で働いている出稼ぎ労働者の陳暁燕さんはこれについて「私は人事部門に勤めているから、多くの従業員は私に問題を投げかけてくる。そのうち、多くの人は他の省から来ており、全国で社会保険網を設けることを希望した。これは彼らが非常に関心が寄せている問題だ」と語りました。
「社会保険法」草案の最新規定の目的は、この欠陥によってもたらす問題の解決にあります。これについて、全人代・全国人民代表大会法律委員会の張柏林副主任委員は22日、「草案は個人が地区を越えて就業する場合、その基本養老保険の手続きは本人について移転できると修正した。また、退職する際、基本養老金が退職時の各地の基準や費用を納めた年限によって計算し、退職地によって統一的に支払うことにする」と述べました。
中央政府はすでに、2009年末まで、全国で省クラスの基本養老保険基金制度を実施し、2012年まで、全国で統一させる目標を作りました。
また、草案は国家が基本養老金一般調整システムを構築し、物価の上昇に従って、適時に基本養老保険待遇のレベルを上げることを明確にしています。
そして、草案は農村住民を社会保険システムに組み入れ、政府による社会保険基金への支援を強化しました。たとえば、最低生活保障を受ける人、重度身障者、低収入家庭の60歳以上のお年寄りなどが納めるものは政府によって補助すると規定しています。
さらに、草案は、国家は社会保険基金に対し厳格な監督管理を行うことを明確にしています。(翻訳:トウエンカ)
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