中国の中央銀行である中国人民銀行は、26日、「金利を改めて下げるとともに預金準備率も下げるつもりだ」と発表しました。世界経済が景気後退に陥る中で行われた引き下げ率は、過去11年間で最大となっています。中国の経済専門家は、今回の引き下げは、中央銀行が通貨政策を緩めるための具体的な措置であると同時に、デフレに対応する予防策でもあるとみています。
中央銀行が、3ヶ月で5回も金利を引き下げたことは、中国の通貨政策調整ではまれなケースです。また、26日の1.08ポイントは、過去11年間で最大引き下げ率となっています。これについて、アジア開発銀行中国駐在代表所の庄健代表は、次のように見ています。
「今回の措置の目的は、中国経済の成長率の鈍化に歯止めをかけ、デフレの懸念をなくすためだとみています。当面の急務は、企業の市場への自信を取り戻し、経済成長率を維持し、雇用チャンスを確保することです」
世界金融危機の影響を受け、中国経済では不安定な要素が増えています。中国国家統計局のデータによりますと、中国国内総生産はこれまでの5つの四半期連続して成長率が鈍化しています。中国製品の輸出量は依然として増えていますが、その増加率は鈍化しています。また、中国東南部の沿海地域のいくつかの省では、企業の減産、人員の削減などが起こりました。こうした状況に対処するため、中央政府は今月初めに経済の成長を維持するための10大措置を打ち出しました。今回措置として挙げられたのは、民生にかかわるプロジェクト、インフラ整備、生態環境の整備と災害復興事業の加速などです。統計によりますとこれらの措置には2010年までに4万億元の投資が必要となります。
2007年、中国では通貨政策が厳しくなり、企業は定期的に預金するようになりました。専門家は今回の金利の大幅な引き下げは、企業の新分野での投資を刺激する目的があるとみています。また、国民の住宅購入にメリットをもたらすとしています。これについて人民大学金融証券研究所の趙錫軍教授は、次のように述べました。
「今回の引き下げは、アメリカのサブプライムローン問題が中国の金融や実体経済に影響するのではという懸念を解消するためのものです。具体的に言えば、中央政府は4万億元を拠出して経済成長を刺激します。通貨政策が財政政策とともに、経済成長の維持と内需拡大に役立つことを期待しています」
また、これと同時に、金融機構の預金準備率も引き下げられました。この措置によって、商業銀行の貸し出し可能資金がさらに増加すると見られています。企業、特に中小企業が銀行から資金を借りることが難しいという問題が緩和され、輸出量増加の鈍化と内需伸び悩みという問題に直面している企業にとって、効果的な政策になるはずです。
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