世界銀行の林毅夫副総裁は11日、ワシントンで、「上海証券報」の記者の取材を受けた際、中国政府が4兆元を拠出する財政刺激案について、「これは中国経済が8%から9%の高度成長を維持するにプラスとなる」と述べたあと、「温家宝首相の発言にもあったように、中国が積極的な措置を講じて自国経済の平穏かつ健全な成長を確保することは、世界経済に対する最大の貢献である」と語りました。
世界経済に対する大きな貢献
林毅夫副総裁の分析によりますと、中国は8%から9%の経済成長率を維持するためには、大量の資源を輸入しなければなりません。これは資源輸出国家にとっては、経済を刺激することとなります。それと同時に、中間商品や資本なども必要で、これは先進国にとっても市場のチャンスです。
中国が今後、より多くの経済措置を講じて経済を安定化させる必要があるかどうかという質問に対して、林毅夫副総裁は4兆元の投資計画は「もう十分である」との考えを示し、「これは中国にとって史上最大規模の経済刺激策である。次の問題はこうした投資をどのように活かすかということである」と述べました。
財政拡張を各国に呼びかけ
15日行われるG20サミットについて、林毅夫副総裁は「同じような金融危機の発生をいかに防ぐかが、今回の会議の重要な議題の一つである。今回の会議をきっかけとして、全世界の金融に対する監督管理をいかに改善するか、情報の共有を実現するかなど、関連する研究をスタートさせることができれば幸いである」と語りました。
また、当面の国際金融システムを改革するためには、新興国家の発言権を拡大し、こうした経済体が持つ力をさらに発揮する必要があります。
第三に、世界経済が後退する中、通貨政策はその対応策でありますが、財政政策の役割も見逃してはなりません。そのため、インフラ施設を整備したり、環境保全への投入を増やしたりするなど、財政拡張政策を実施することは、長期的な経済成長目標を実現させる上で、非常に有利です。(翻訳:劉非、チェック:安藤)
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