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世界経済観測センター・洪平凡主任:中国の内需拡大、世界金融危機の転換点に
   2008-11-13 20:49:14    cri

 国連経済社会理事会(ECOSOC)世界経済観測センターの洪平凡主任はこのほど、「人民日報」に次のような論考を発表しました。


 

(1)

 中国政府がこのほど一連の内需拡大措置を打ち出したことは、世界各国が世界的金融危機を迎え撃つための戦略的転換点となりました。ここから国際社会が金融危機に対処する場合に、通貨政策を中心としたやり方から財政政策と通貨政策とが同時進行するやり方へ、金融市場の安定に重点を置くやり方から実体経済の衰退をくい止めることに重点を置くやり方へ、受け身の反応から積極的な取り組みへと移行しつつあることがわかります。中国が採用した一連の措置は、世界経済の衰退をくい止める上で重要な働きをするだけでなく、今後の世界経済回復の土台になるものでもあります。

 これまで、欧米諸国の政策決定者の多くは、このたびの金融危機の影響の深さと大きさを過小評価し、おざなりな措置しか打ち出さず、危機の拡大に後れをとるばかりでした。今年9月に状況が急激に悪化するまで、欧米諸国の政策の重点は、資金投入を増やして、金融市場における資金の流動性不足を緩和することにありました。しかし当時は資金の流動性不足に潜在的な危険があったわけではなく、一連の大手金融機関が返済能力を失い、経営破綻の危機に瀕していることが問題でした。政策の重点が個別の金融機関の経営破綻処理に移ると、金融システム全体の崩壊につながる系統的リスクが問題になりました。このため欧米諸国は10月に入ると戦略転換を余儀なくされ、銀行への資本注入、銀行の資金貸付への担保提供、銀行の預金保険といった系統的な緊急対応プランを相次いで打ち出しました。また国際的な政策バランスの重要性を踏まえて、主要国の中央銀行は協調利下げに踏み切りました。こうした緊急対応プランは金融市場の、特に貸付金市場のさらなる悪化をくい止める上で有効でしたが、痛手を負った金融市場が急速に安定を回復するのはやはり難しいでしょう。

(2)

  10月中旬以降、世界金融危機は新たな段階に突入しました。先進国の実体経済が大きく低迷し、消費が落ち込み、商業投資が減少し、失業率が上昇しました。危機の影響は新興経済体にも急速に及び、各国は外資導入額が減少し、融資コストが上昇し、一次製品価格が大幅に低下し、輸出が低迷しました。そこで各国の中央銀行は相次いで金利を大幅に引き下げました。

 金利引き下げや資金の流動性を高めるその他の通貨政策が、金融市場の安定をはかり、需要を喚起する上で一定の役割を果たしました。しかし今回の数十年に一度といわれる世界的な金融危機においては、通貨政策だけで消費と投資ニーズの低迷を効果的にくい止めるのは難しいでしょう。金利をかなり低い水準まで引き下げ、銀行システム内での資金の流動性を絶えず強化したとしても、消費者と投資家の失った信頼感は取り戻せず、実体経済における通貨ニーズを伸ばすことはできません。デフレ出現の可能性もあります。

 こうした状況の下では、財政政策によってニーズを喚起する必要があります。政府はインフレ投資や公共サービスの支出を増やし、中央銀行が銀行システムに投じる資金を実体経済に反映させ、雇用を増やし、所得を引き上げようとしており、最終的には消費者と投資家の信頼感が回復し、経済低迷からの脱却が可能になると見込まれます。

(3)

 グローバル経済が衰退の危機にある今、最も重要なことは、各国が実際の状況に基づいて、有効な財政刺激策・措置を打ち出すことです。中国が率先して実施した大規模な内需拡大政策は、積極的な財政政策と適度な通貨緩和政策とを融合させたものであり、国内需要を拡大して輸出の減少分を相殺するだけでなく、輸入を増やして、世界経済の成長をもたらすものでもあります。多くの国が近く財政刺激措置を打ち出すことを検討しており、まもなく開催される第1回緊急首脳会議(金融サミット)では、参加各国の指導者が、金融危機の波及をくい止め、実体経済への影響を軽減するために協調行動を取ることで一致すると期待されます。各国政府が緊密に協力し、一致協力して、有力かつ有効な政策・措置をともに採用すれば、世界経済の衰退は効果的にくい止められるに違いないでしょう。

 「人民網日本語版」2008年11月13日より

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