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飛び込みW杯が閉幕、ドリームチームへの不安と期待
   2008-02-26 13:44:09    cri

    

 飛び込み"ドリームチーム"の中国代表をはじめ、世界の強豪が終結したテスト大会「第16回飛び込みW杯」が24日、閉幕しました。中国は、全8種目中、男子10m高飛込みを除く7種目で金メダルを獲得し、"ドリームチーム"とも称される飛び込み王国の面目を保った格好となりました。

 特に、最終日に行われた女子シンクロ板飛び込みでは、アテネの金メダルペア郭晶晶・呉敏霞組が素晴らしい演技を披露。362.10で、2位以下を大きく引き離して優勝し、有終の美を飾りました。技の完成度、精神的な部分も含めて、飛び込みの女子シンクロにおいては、世界でこの二人を脅かすペアはいないでしょう。北京五輪での金メダルに向け、磐石といったところです。

 ただ、『女王』郭晶晶に"ほころび"が生まれたのも今大会でした。女子3m板飛び込みに出場した郭晶晶は、予選、準決勝、決勝といずれも、前方宙返りでミスをし、考えられないような低得点が出ました。結局、他の回の演技で挽回して、何とか呉敏霞につぐ2位につけたものの、この"女王"のここぞというときのミスについて、各メディアが取り上げ、ちょっとした論争となっています。

 試合後の取材に対して、「試合には満足」「ミスはよくあること」と記者団の執拗な質問をかわし続けた郭晶晶ですが、内心は決して穏やかではなかったでしょう。「飛び板が自分に合わないのかも」と"女王"らしからぬ言い訳も飛び出すという一幕もありました。

 一方、安定した演技を披露した後輩の呉敏霞が優勝。"女王"にほころびが生じても、その後をがっちり押さえるところが、「飛び込み王国・中国」たるゆえんです。

 また、長い道のりの中で、アスリートにはさまざまなバイオリズムがあります。そして、ある時期、あえてコンディションをぐっと落とすことで、本番のピークに向けた"ノリシロ"を作る、というのは一流選手の調整法としてはごく一般的。常勝・郭晶晶が敗れたことで、中国に数多くいる『郭晶晶ファン』とマスメディアが不安に思うのは分かりますが、"超"がつく一流選手の、しかも大切な本番に向けた、あくまで『調整』と位置づけられた大会での結果に一喜一憂する必要はないでしょう。もちろん、後輩に強力なライバルが現れたのは彼女本人にとっては脅威でしょうが、我々、見る側からすれば、面白みがぐっと増したといえると思います。

 ただ、中国飛び込み陣にとって、最も大きな不安材料となるのは、全8種目中、唯一、金メダルを逃した男子10m高飛び込みです。中国勢はメルボルン世界選手権の銀メダリスト、ジョウ・ルーシンと、同3位の林躍(リン・ユエ)を送り出しましたが、いずれも2位と4位に終わりました。『全種目金メダル』を目標に掲げる中国にとって、世界選手権に続いて、同種目で金メダルを逃したことは、大きな不安となりそうです。

 ただ、今大会そのものは、ほとんどのチケットが開幕前に売り切れて、会場が連日満員となるなど、大成功を収めたといえるでしょう。飛び込み王国であり、かつ五輪を間近に控えた中国ならではの盛り上がりでした。北京五輪まであと160日あまり。これから本大会に向けて、この市民の『スポーツ熱』はますます高まっていくに違いありません。(朝倉浩之)

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