飛び込みの第16回ワールドカップが19日、国家水泳センターで開幕。今大会は、北京五輪の予選を兼ねており、世界のトップレベルの選手達が軒並み集結するという豪華な大会。初日は、女子高飛び込みの予選と男子シンクロ板飛び込み(3m)の予選・決勝が行われました。
この日の主役はなんと言っても、男子シンクロ板飛び込み(3m)に出場したメルボルン世界選手権の覇者、王峰・秦凱ペア(中国)。6度の飛び込みとも安定した演技を見せ、中でも、最後の演技では、難度3.5の技で、全選手中最高点となる92.40点をマークするなど、トータル462.12で余裕の優勝を果たしました。
開幕3日前に、すでに決勝が行われる夜の部の入場チケットは期間中、全て売り切れ。売り場に長蛇の列が出来るという、五輪テスト大会始まって以来のフィーバーぶりを見せている飛び込みW杯。各国が様子見のために選手を派遣する他のテスト大会と異なり、今大会は世界一流の選手達が集まる最高の舞台・・・ということで、多くの北京市民の関心を集めているのでしょう。
この過熱ぶりを受けて、運営側は急遽、チケット数を増量し、先日行われた競泳テスト大会の時には観客を入れていなかった座席も開放するという措置を取りました。これも、今までのテスト大会では一度もなかったことです。
会場は、ほぼ満席となり、熱気むんむん。そして、各国の在留外国人も訪れ、世界各国の国旗の小旗がスタンドで振られています。このあたりは、各国の選手達が『本気モード』で戦うW杯ならでは・・・でしょうか。
日本では、それほど人気競技ではない飛び込みですが、さすがは『ドリームチーム』を抱える中国。演技が始まってからの応援の仕方も堂に入っています。
注目の王峰・秦凱ペア(中国)は、"トリ"に登場。結局、最後は出場選手中、最高得点をマークして、メルボルン世界選手権での得点を上回る462.12点が出ました。地元ということもあり、大観衆の後押しもありましたが、強豪選手がひしめく中で、プレッシャーを感じつつ、しっかり自分の演技ができる・・その精神力の強さには脱帽です。
試合後の記者会見で、「多くの観客に応援してもらえて、五輪気分を味わえた」と笑う二人。五輪の金メダルについては「自信があります」と引き締まった表情で答えていました。世界ランク上位のほとんどを占める「飛び込みドリームチーム」を擁する中国。今大会も彼らの独壇場となる予感です。(朝倉浩之)
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