2月21日、飛び込みの五輪テスト大会「第16回ワールドカップ(W杯)」は3日目。男子3m板飛び込みの決勝が行われ、中国の何冲がトータル530.30点で優勝。去年のメルボルン世界選手権では期待されながら栄冠を掴めなかった「苦労人」がようやく世界最高のタイトルを手にしました。
午前の決勝では、緊張からか、思い通りの演技ができず、1位通過をアレクサンダー・デスパティエ(カナダ)に譲った何冲。しかし、夜に行われた決勝では、1回目から1位につけ、その後、順調に得点を伸ばして、悲願の世界タイトルを手にしました。
記者会見では、緊張して、記者の質問を取り違えて答えてしまい、会見場が爆笑に包まれるという"初々しさ"も。終始、笑顔にあふれた『初優勝』となりました。
「代表チームの中で、自分だけが(世界戦の個人種目で)優勝したことがなかった。どうしても優勝したかった。」と"世界"制覇の喜びを語る何冲。同時に、「これを励みに五輪に向け頑張りたい。ここが僕のスタート地点です」と表情を引き締めた。
飛び込み『ドリームチーム』の中国にあって、ハングリー精神を持ち続けてつかんだ優勝。「今度は8月、もう一度表彰台の頂上に立ちたい」と力強く語るニューヒーローの今後に期待したいものです。
何冲(He Chong) 1987年広東省生まれ。6歳で飛び込みを始め、14歳で国家代表入り。2005年から国際大会に出場し始めた。メルボルン世界選手権では男子1m板飛び込みで2位。3m板飛び込みでは、世界で最も難度が高い5355Bを持ち、目下、中国ドリームチームの期待株の一人である。
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