競泳の五輪テスト大会「北京オープン」は2日目。いよいよ男女バタフライと自由形の決勝が行われました。
日本の皆さんにお届けしたい話題は、何と行っても昨日、女子200mバタフライで、高校生新記録を出し、予選1位通過した日本の星奈津実(春日部共栄高)選手。身長156センチの小柄な彼女なんですが、この小さな体にどれだけ力が詰まっているんだろうと思うくらい、力強い泳ぎを見せてくれました。決勝の結果は、2:08:55を出して、見事1位フィニッシュ。昨日出した高校新の2分7秒台には及びませんでしたが、ぐっと世界に近づいた貴重な一勝・・といえるでしょう。
試合後、話を伺った星選手は、プールでの堂々とした泳ぎとはうって変わって、控えめなタイプの女の子。素敵な笑顔で、試合を振り返りました。今大会が初めてシニアの国際大会。『緊張して体が動かなかった』という彼女ですが、2分7秒台を今年の本番の舞台で出せたことで、「今まで遠い世界だった北京五輪も、現実的なものとなった」と笑顔で語りました。4月には、五輪選考会を兼ねた日本選手権に臨む星選手。まずはそこで勝って、もう一度、この"水立方"で、会いたいものです。
日本勢では、もうひとり、決勝に残っていた男子100mバタフライの高本翔太(法政大学)は55秒02で7位に終わりました。
前日夜に予選を終え、午前中に決勝・・という五輪形式は、やはり各選手とも大きな戸惑いを覚えているようです。前日の就寝時間、試合当日の起床、ウォーミングアップの時間など、これまでのやり方をガラリと見直さなければならないことが数多くあります。
この「午前決勝」について、アテネ五輪の銀メダリスト、中国の朱イン文(女子100m自由形)は「午前のほうが体を作りやすい」と語ります。選手の性格や体質にもよりますが、この「朝対策」が今年の北京五輪の勝敗を分ける大きな要素となってくることは間違いありません。そういう意味では、実際の会場を使って、本番と同じタイムスケジュールで試合に臨めた今大会は、選手たちにとって、大きな意義のある『テスト大会』になったでしょう。
|