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迎春の集い<福田首相歓迎朝食会・29日釣魚台国賓館>
   2007-12-29 22:01:24    cri

第一部 朝食会

 

<開始前>

 

12297時、北京の空はまだ明けきっていません。釣魚台国賓館の前に到着すると、いつもと異なる緊迫した雰囲気が漂っています。曙の霞と共に、オレンジ色の明かりがつき、車が忙しく行き来し、歩く人の姿も見られました。

りんとした冴えた空気を胸いっぱいに吸い、散策しながら、会場である5号楼に向かいました。東門から歩いて10分ほどしてから、眼前にこうこうと灯が点る建物が見えました。開始一時間前とはいえ、ホールはすでに来客で溢れかえっていました。

訪中した日本首脳のためには、民間団体が歓迎朝食会を開くのは今回が初めてのことだそうです。200名の参加者のうち、高校生や大学生たちの姿もあり、両国政府が若者交流を重視する姿勢がうかがえます。

 

来場者に挨拶したり、記念撮影をしている内に、総ガラス張りの壁の外をふっと眺めると、太陽が冬の小川に差し込んでいました。北京は快晴の一日を迎えました。福田首相が到着した27日は靄のかかった日で、翌日の28日は風が強く、曇った空でしたが、今日は青空の広がる爽やかな一日となりました。もしかして、中日関係の今後を暗示する気候でもあることを考えると、好天気以上に晴れ晴れしい気分になりました。

 

 

<温家宝首相の挨拶>

レセプションは87分頃から始まり、温家宝首相は原稿なしでゆっくりした穏やかな口調で語りかけ始め、スピーチの時間は何と16分ほどに達しました。

温首相は寒い冬の季節、友情と瑞雪(27日朝北京に雪が降った)をもたらし、暖かさを感じさせてくれた福田首相の訪中に感謝の気持ちを述べました。その後、三つの政治文書の遵守、「民心」(民間の力)が中日友好の土台、未来を担う青少年交流を、中日関係発展における三つの重要な礎だと強調しました。福田赳夫首相とつトウ小平氏の打ち立てた両国関係の基盤を振り返ってから、今回の首脳会談の成功を肯定し、そして、来春、桜の咲く頃に胡錦涛国家主席が訪日することを改めて発表しました。このほか、戦略的互恵関係の中身の充実、人的交流の強化での具体的な措置を評価し、とりわけ、福田首相の北京大学での講演を評価しました。

温首相は4月に訪日した際、経済団体の主催した歓迎昼食会で、日本の俳句になぞって、漢語で十七文字の詩・漢俳を作りました(「和風化細雨、桜花吐艶迎朋友、冬去春来早」)。今回は続編を即席で発表しました。

   

「長憶融氷旅、梅花瑞雪兆新歳、明年春更好」

 

温首相の漢俳は中国国際放送局の秋の特別企画・中日インターネット対話(NHK国際局と提携)でも取り上げていましたので、親しみが涌いてきます。しかも、続編ができ、中日関係の好転の様子を身をもって実感できました。

 

<福田首相の挨拶>

福田首相の挨拶の番になりました。何と、昨日の北京大学での講演の時でも聞こえなかった中国語でも挨拶が聞けました。「各位早上好!」言葉はたいへん不思議な魔力を持っています。ぎこちなくても心に伝わるものがあります。そのわけは、相手と交流したい気持ちを最もよく現せるものは言葉ではないかと思うからです。

 

福田首相は今回の旅は迎春の旅だと位置づけ、日中両国の関係は二国間関係にとどまらず、アジアと世界に影響を与える関係でもあることを強調しました。国交正常化35周年の年に、両国関係が成し遂げた飛躍的な発展を今後一段と高めて行く希望を述べ、3日後にやって来る2008年を祝福しました。

 

<会場をまわる福田首相>

挨拶の後は、両国首相が高校生や大学生のテーブルを中心に回り、若者たちと直接交流しました。28日のCCTVの中継番組で、白岩松キャスターは「福田首相と温首相は雰囲気的に良く似ているところがある。つまり、二人とも穏やかで、温和な人柄で、親しみやすい」という感想を述べました。多くの中国人に共通した感想とも言えます。

福田首相と直接話しを交わした中国の若者は口をそろえて、「親切で、やさしい雰囲気の方」だと感想を話しました。両国の政治家は、これまでにはテレビの四角い画面でしか見られなかったため、多少堅苦しいイメージを持っていましたが、実際の触れ合いにより、若者の今後の人生に良い励ましになったことは、興奮した彼らの顔からも伺えました。

 

中国の高校生と英語で話す福田首相

初めて対面した温首相は「とても親しみやすい」

中国の大学生:「来年もまた来てください」

「将来、日中友好のために頑張ってください」

通訳は裏方の立役者

朝食会の会場を離れる

 

 

 【北京師範大学・トウさん】

とても親しみやすい感じを受けました。やさしそうな方でした。また来年も来ていただきたいと思います。私はいま四年生で、すでに日本の会社から内定をもらい、来年春から日本に行き、日本で頑張りたいです。

 

 【北京第二外国語大学・ヤンさん】

夕べはよく眠れなかったほど興奮していました。今までテレビでしか見れなかった方で、今日、近くでお目にかかることができて、とても光栄です。もし長い話があれば、もっと突っ込んだお話をしたかったです。

北京第19高等学校高二の皆さん

北京師範大学チョウさん

北京師範大学・トウさん

北京第二外国語大学・ヤンさん

 

 

<来春の景色に期待>

 

朝食会は予定通り、9時に終了しました。両首相は一緒に、一座に手を振り、名残惜しく会場を後にしました。

両国首相が退場した後も、しばらくは来場者たちは交歓を続け、会場には暖かい気持ちが流れ続けていることを実感しました。

来場者に感想を伺ってみました。

 

 【王泰平元中国駐大阪総領事】

今回の福田首相の中国訪問は成功したと言えると思います。本当に春が来たと実感しました。良かったと思います。

 

 【井頓泉対外友好協会副会長】

中国民間が訪中する日本総理のために行った朝食会であります。その主な目的は、これは中国国民が日本に対する思いを込めての感情表現であり、日本政府から見ても、中国国民に対して友好的な感情を表現する場でもあるではないかと思います。日中官民一体として、国民感情促進のために頑張っていきたいことを世間に見せたいと思っています。今後もこのような活動をやりたいと思っております。

 

 【中日国交正常化の立役者・孫平化氏令嬢の孫暁燕さん】

良かったです。日本の首相が訪中するために開催したイベントに、今回が初めて参加しました。聞いたところでは、中国側の民間団体がこのような歓迎朝食会を主催するのも、今回が初めてだそうですね。若い学生もいらっしゃいましたし、とても良い雰囲気の中で開催できたと思います。また、昨日、人民日報のネットでの書き込みを読みましたが、日本の首相の中で、福田首相が中国では一番好かれている首相のようで、とてもよかったです。

 

 【松下電器産業株式会社中国北東アジア本部・林義孝部長】

テレビとか新聞で見るのと、目の前でご本人を見るのとで、やはりずいぶん違います。両国がこれから益々良い関係ができる気がしています。楽しみにしています。

日本人も中国人も東洋の人。顔では互いにどの国の人なのかが、分からない。そういう意味では、交流しやすいし、本当の仲間である感じがしています。

王泰平元大阪総領事

国交正常化交渉の通訳・王効賢女史

()北京日本学研究センター・徐一平センター長()劉徳有元文化次官

()周恩来氏の日本語通訳・林麗ウン女史
()劉江永清華大学教授

中日国交正常化立役者・孫平化氏令嬢の
孫暁燕女史
(左二)と友好協会の友人たち

楊振亜元駐日大使()を囲んで
(左:北京放送寥麗、右:北京放送王小燕)

 

 【周恩来氏の日本語通訳、中国国際文化交流センター副理事長・林麗ウンさん】

今日の朝食会は、温首相がおっしゃったように、雰囲気が春のごとく、和気あいあいとして、非常に楽しかったです。そして、福田首相のご訪問は、大きな実りを見せています。首脳会談で一致点が多かっただけでなく、私は一台湾の同胞として、特に深く心にとめたのは、福田首相は中国が一つであること、台湾独立を支持しない、独立を目指す公民投票は賛成でないとはっきりと言われたことが、私は非常に嬉しかったです。中日両国は周恩来先生の時代 から世々代々の友好と言っておりましので、国交正常化35周年を迎え、そして、来年は福田赳夫先生とトウ小平氏の間で結ばれた平和友好条約の締結30周年の年です。これらを踏まえて、両国は各世代の指導者が歩んで生きた友好の道を歩んで、世々代々の友好を続けていくように心から念願しております。

福田首相の昨日の北京大学での講演は、とても良かったと思います。私も北京大学の卒業生でした。講演の中で、若い世代に期待をかけて、今後とも両国の友好のために努力していくよう励ましました。日中友好は今後若い世代にバトンタッチでやっていく必要があるので、そういう意味でともて良かったです。

 

 【清華大学教授・劉江永さん】 

 とてもすばらしかったと思います。忙しい中での、ご訪中、成功したと私は思っております。昨日、ずっと一日、最高レベルの会談がありました。コンセンサンスを得た、具体的な計画もありました。午後、北京大学ですばらしい講演を行ってくださいました。皆が何度も会場で拍手し、特に、福田首相は、創造的協力パートナーシップという新しい言葉、そして、迎春の旅、という会場の学生たちの心をつかんだのではないかと思います。来年は中日平和友好条約締結30周年の年、そして、北京五輪の年、中国の胡錦涛国家主席も桜の咲く季節に、訪日することになりました。来年の春はますますすばらしいものになるではないかと期待しており、また実現できるものと思います。

今日の新年会は新春を迎えるものであり、忘年会でもあります。今日は、一生忘れられない交流のチャンスを与えてくれました。温首相が高い見地からの見解も述べられたし、福田首相も中国語で挨拶し、とても盛り上がりました。来年は両国の人々にとって良い年となりますようお祈りしております。

 

 

 

第二部           町の表情

 

 福田首相訪中時の天安門広場界隈(20071228日撮影)

                           (取材・写真・文:王小燕)

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