著しい経済発展を遂げる中国。その発展を支えているのが、全国各地に建設されている「開発区」でしょう。
現在、安徽省には省クラス以上の「開発区」が33ヶ所あります。そのうち、国家クラスは、「合肥高新技術開発区」「合肥経済技術開発区」「蕪湖経済技術開発区」の3ヶ所です。
安徽省3日目、合肥経済技術開発区を訪ねました。ここは、2000年2月に国務院より国家経済技術開発区に認定されたばかりの若い開発区です。総面積39平方キロメートルという広大な敷地内に、ここ数年飛躍的な発展を遂げている自動車企業「江淮汽車集団」や家電企業「ハイアール」など、多くの企業が進出しています。これらの企業は業績も良く、この一帯の経済をリードする存在になっています。
合肥は東西南北の交通の要であり、上海からも程近いというメリットがあります。特に、まもなく高速鉄道が開通しますので、合肥から南京までは45分、上海や武漢までは2時間で行くことができるようになります。
また、豊かな資源と人材があることでも知られています。特に、合肥には中国科学技術大学があり、技術開発に強い街として一目置かれています。
こうした利点から、2005年、合肥市の生産GDPは853億元に達し、全国の省都のなかで2位となりました。
こうした環境に注目し、合肥に進出している外国企業も増えています。特に、合肥経済技術開発区内で勢いのあるのが、日本の日立建機(中国)有限公司でしょう。
同社の生産する中型油圧ショベルをはじめとする建設用機は、中国の国内市場でトップシェアを確保しています。2008年までに1万台、2010年には1万5000台の売り上げを達成する見込みです。
総経理の平田東一さんは、成功の理由を以下のように語ってくださいました。
「まずは独資経営により経営効率を高めたこと。また、日本人スタッフと中国人スタッフを同じように重用し、お互いの文化差異を埋める努力をしていることも、いい循環を生んでいると思います。そして、何よりも、安徽省や市政府、開発区の多大な協力があってこそ、順調に業績を挙げることができたんですね。合肥以外にも、進出先の候補はいくつかあったけれど、ここの開発区の方々が一番熱心に働きかけてくれて。さらに、沿岸部に比べて、まだライバルが少ないのも魅力でしたね」
現在、合肥経済技術開発区では、こうした外国企業の受け入れや、そこで働く外国人の生活面でのサポートを進めています。外国人用マンションや学校など、設備の建設も順調に行われています。開発区内の外国人の割合はまだ1ー2%程度ですが、今後はより国際的な開発区として、ますます発展を遂げていくでしょう。!(取材/文 末永由希)
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