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一時間目 世界重要農業遺産巡り、福州のジャスミン茶栽培システム

2017-10-06 12:38:43     cri    

 ジャスミン茶は、中国の花茶の代表的な一つです。花茶は、主に緑茶に花の香りを移したもので、その製法は古く宋代に発明されました。花にはジャスミンのほかに、桂花、クチナシ、バラなどがあります。ジャスミン属のマツリカは、2000年前の前漢の時代から中国で栽培され、世界の栽培面積の3分の2を中国が占めています。

 ジャスミンの花の開花直前のつぼみを摘み取り、夜、花びらが開き始めて香りが漂い出したときに茶葉に混ぜます。良質のものは、花を変えてこの工程を繰り返し、花の香りをお茶に加えます。具体的には、緑茶または芽の部分を使った白毫(白い産毛)に、摘み取ったジャスミンの花を混ぜ合わせ、翌日に花びら1枚1枚を手で取り除きます。この作業は繰り返す回数が多いほど品質が高くなります。通常の茶葉(散茶)のほかに、球やブーケの形をしたものもあり、人気が高いです。

 ジャスミン茶の主な産地は、福州、浙江の金華、江蘇蘇州、広東省などです。そのうち、福州は、ジャスミン茶の発祥地ともいえます。

 福建省の福州市は、地形が河口盆地で、盆地周囲の山の海抜は600m〜1000mほどあります。気候は海洋性亜熱帯季節風気候で、日照時間が短く、霧と雲がよく発生しています。この環境は、お茶の栽培にとても理想的で、さらに盆地の中心部の平原は、肥沃な粘土の多い土で、ジャスミンの栽培に適しています。また、昼夜の気温差が大きいこともあって、品質の高いジャスミンの花が取れます。福州では、山にお茶の木、盆地を流れる川の沿岸には、ジャスミンの花があるという自然のルールに従った農作法が古くから残されています。

 福州市では、ジャスミン茶作りは、明の時代から始まり、清の時代に入るとさらに盛んになりました。特に清代の末期、福州市は対外通商の港と指定され、現地のジャスミン茶は欧米や東南アジア諸国に輸出されていました。

 新中国が成立してから、ジャスミン茶産業が再び振興し始めました。2013年、福州のジャスミン茶栽培システムは中国農業省第一陣の中国重要農業文化遺産リストに登録され、続けて2014年、国連食糧農業機関(FAO)の世界重要農業文化遺産リストにも登録されました。これによってジャスミン茶栽培システムは世界で31番目の重要農業文化遺産となりました。  

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