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1時間目 中国の高速鉄道の出前サービス、中国農業の今~耐塩農業の現場では

2017-08-15 17:52:54     cri    

 担当:王小燕、斉鵬

 中国では、スマホなどをベースにしたデジタルエコノミーが勢いよく伸び続けています。ついに、先月から高速列車に乗ってお出かけする場合にも、スマホから出前サービスの注文ができるようになりました?!今回は上海、天津、広州、南京など25都市の27の高速鉄道の駅でテスト的に始めたもの。食堂車の弁当はもちろん、駅付近の対象範囲内の飲食店の利用も可能だということです。いったいどのようなサービスで、手ごたえはどうなっているのか。斉鵬アナが「旬な話題」で取り上げます。

 

 後半は「中国農業の今~塩類土壌との戦い」の最終回です。これまでの番組では中日両国の学者が知恵を絞り、火力発電所の廃棄物である排煙脱硫石膏を使って、塩類土壌の改良をしていたと紹介しました。今回は全然違うアプローチの取り組みを紹介します。

 中国の科学アカデミー「中国科学院」の横断的チームによる試みで、土壌の改良はせず、塩類土壌に適した塩性作物の選抜、育種により、環境の改善、生態圏の好循環を作りあげようとする動きです。場所は黄河デルタ地帯の山東省東営市。産業汚染が目立つ渤海湾のほとりにあります。3年前から、ここで耐塩経済植物の選抜、育種と繁殖を始め、民間との提携による耐塩植物圃場の整備が始まりました。首席研究者は、1980年代半ばから「耐塩農業」の確立を唱え続けている邢軍武氏(61歳)。土や作物の改良という従来の対策とは違い、地元に適した塩性経済作物の栽培で環境や生態圏の好循環を作りあげ、土壌の修復につなげたい考えです。

(左)試験場でマツナの苗を観察する邢氏 (右)試験場でマツナの成長状況を観察する邢氏

 中でも、邢氏がとりわけ注力している作物は、食用もできる「マツナ(中国名:碱蓬草、 Suaeda glauca)」というアカザ科の草です。種類は100以上あり、順化に成功したのは「塩地マツナ」と「中科1号」の2種類。前者は食用。後者は茎が2.6メートルもあり、繊維としての利用や、種子から油を搾ることもできます。

 「内陸部の塩湖でも栽培できる。塩性化で植物が生えず、地表にむき出しになった塩は、強風に吹かれると、雪のように舞い降り、塩害になる。そこにマツナが活着できれば、表土を守り、塩害防止になる。マツナが動物のエサにもなるので、魚介類が豊富になる。秋に紅葉するので、観光資源にもなる。また塩を集積する特性があるため、土の塩分濃度を下げ、それにより栽培できる植物の種類が増え、いつか農業生産も可能になる」

 そして、将来について大きな志でこう展望します。

 「中国が唱える一帯一路構想の対象地域は、塩類土壌のエリアでもある。協力深化につれ、いつか塩類土壌対策のネックにぶつかる。耐塩農業の確立は中国のみならず、世界にとっても有益な試みだと確信する」 (王小燕)

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