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1時間目 結婚できない男性が3000万人?!中国現代文学の散歩道~李敬澤「趙氏孤児」(3-2)

2017-02-14 19:16:31     cri    


担当:王小燕、斉鵬

 2月13日はユネスコ・国連教育科学文化機関が定めた「世界ラジオデー」でした。この日は2011年に定められたもので、6回目を迎える。今年は「Radio is you(ラジオ、それはあなた)」をテーマに、上海で初の記念フォーラムが開かれました。フォーラムの席上、「.radio」という新しいドメイン名の発表も行われました。日本ではこの日も何か動きがあったのでしょうか?ご存知の方がいらっしゃれば、ぜひ情報をお寄せください。

【旬の話題】
 2月14日はバレンタインデー。中国では、恋人や夫婦がプレゼントを贈り合い、デートするとてもロマンチックな一日です。その一方、前日の13日に、ロマンチックでないニュースが発表されました。「今後30年、中国の約3000万人の男性が結婚相手を見つけられない」と。その理由や問題点、さらに政府による対策などを併せてご紹介します。

【現代中国文学の散歩道~李敬澤「趙氏孤児」(3-2)】
 これまでの放送では作家、文芸評論家の李敬澤(り・けいたく)の小説「趙氏孤児」の第1部「王妃の陳情」と第2部「二つの取るに足らないこと」を紹介してきました。第3部「少年夷皋と熊の手」はやや長文のため、3回に分けてご紹介していきます。今回はその2回目。王小燕、星和明と斉鵬の朗読でお届けします。
 このコーナーは中国文学の翻訳誌『新しい中国文学 灯火』雑誌社の後援により実現したものです。『灯火』は中国で最も権威ある文学雑誌『人民文学』の日本語版として、2015年12月に創刊。これまで全3冊が刊行されています。初回からシリーズでご紹介している小説「趙氏孤児」は、去年3月に刊行した「特別版」に掲載された水野衛子(みずの・えいこ)翻訳の作品です。

第3部「少年夷皋と熊の手」その2
 晋の襄公の崩御で、幼くして王位についた夷皋も15歳の少年となった。しかし、わがままで、ありあまる時間とエネルギーにまかせて不良少年の道を驀進していたのだ。史書では、夷皋は二つの罪を犯したとしている。今回はそのもう一つの罪、「パチンコで人を狙う」について紹介する。

★ちょっと難しい用語
 ①「春秋」=周の時代の魯国の歴史書
 ②郭徳綱(グオ・ドーガン)=人気漫才師
 ③「三舎を避けた」=古代中国の軍隊が進む距離のことで、三十里を一舎とする。三舎は九十里、45キロ。「三舎を避ける」は相手を敬遠して避けるの意。
 ④令尹(れいいん)=楚の宰相のこと
 ⑤子上(しじょう)=令尹の名前
 ⑥商臣(しょうしん)=楚の成王の息子の名前
 ⑦潘崇(はんすう)=商臣の先生

【背景】
★李敬澤について
 1964年天津生まれ。 北京大学卒。中国作家協会副主席、中国で最も権威ある文芸雑誌『人民文学』の元編集長。著名な文芸評論家で、中国の作家たちから畏敬される存在でもあります。
 幅広いスタイルの作風の作家としての顔もあり、『検証千夜一夜――21世紀初の文学生活』、『文学のために申し開きをする』、『反遊記』、『小春秋』、『理想的な読者へ』などの著書があります。

★「趙氏孤児」について
 司馬遷の『史記』にも出てくる史実をもとに、元代の劇作家・紀君祥が元曲として創作した中国の有名な悲劇の一つ。18世紀にはフランスの作家ヴォルテールによって翻案され、ヨーロッパで舞台化された最も古い中国の芝居。
 中国でも繰り返し京劇などの伝統演劇や話劇の舞台、テレビドラマに取り上げられ演じられてきました。近年では、陳凱歌監督が映画化、『運命の子』の日本語タイトルで、2011年に日本でも公開されています。
 これら良く知られた「趙氏孤児」は、あだ討ちの物語。内容は、霊公殺害の冤罪で趙家が将軍・屠岸賈(とがんこ)によって、一家全滅の罪に問われます。この時、まだ赤ちゃんである趙盾(ちょうとん)の孫・趙武が、趙家に恩のある公孫杵臼(こうそんしょきゅう)や程嬰(ていえい)らによって助け出され、一人生き延びる。やがて趙武が長じて一家のあだ討ちをするというものです。
 李敬澤のこの小説はその有名なストーリーのエピローグ、またはスピンオフともいえる内容になっています。霊公と趙盾との確執に、中国の現代にも通じる諸問題を織り込み、単なる歴史小説を超えた語り口になっています。

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