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沈炜 南京郵電大学

2017-02-09 15:50:42     cri    

日中友好―若者の視点から―
魚心あれば水心

 「両国は、相手国民に対する感情の悪化が、国民の交流を阻害し、それがさらに感情の悪化を招く悪循環に陥ることのないよう努力すべきである。そのために、自発的で継続的な民間交流を量・質ともに完成させ、特に、若者の相互交流の活発化を目指す。」

 2016年9月27日から28日まで、「第12回東京―北京フォーラム」が東京で行われた。前述は今回のフォーラムの成果として、『人民中国』のウィチャット購読版に載せられた「東京コンセンサス」の一部である。

 この見出しが目に映ったとたん、中日関係を進める柱となる民間交流が盛んに行われ、かけがえない役割を果たしているおかげで、両国の間に存在する食い違いや争いなどによる一触即発の状態は、一時緩和できるだろうという考えが頭に浮かんできた。

 日本語の勉強に没頭し始めてから丸三年になった私は、中日関係はずっと紆余曲折の中で前に進んでいくのだろうかと深く考え込むことがある。更に今日両国間の政治関係はまるで風前の灯のようであるとも言えるだろう。このほど、我が国の南海をめぐる紛争は一応決着したが、日本の態度が再び中国人民の心に傷をつけたことはすでに認めざるを得ない事実であった。自ら「貧しい国」と思い込んでいる日本が資源を求めたい心に対し、我々は同情を寄せてしかるべきであるが、我が国の利益を損なうなら、厳正な姿勢で立ち向かうほかないだろう。

 ところで、政治分野での底冷えにひきかえ、近年、経済や文化での交流は一見して大変盛んである。特に、国内でブームとなった日本への旅行が勢いよく発展し続けているのに伴い、「爆買い」の熱も折に触れて両国のメディアに取り上げ、ますます世間で話題になった。自国製の商品を支持せず、ひたすら日本製の高額商品から日用品まで様々な商品を買い耽る国民の行為への批判が国内に飛び交う一方、低迷している日本経済に新たな血液を注いだ中国人観光客が殺到するのを目の当たりにして、怪訝そうな顔をするわけにもいかず、やや不自然な笑顔で優れた商品やサービスを提供している日本人もさぞ困ることだろう。私の目から見れば、このいびつな発展は中日関係を改善するどころか、むしろ逆に悪影響を与える恐れがあるのではないかと心配している。中日間はいっそう平等な目でお互いを理解すべきである。何故なら、過去を振り替えて見れば、日本の中国に対する態度は一度も平等ではなかったという事実が明らかであるからだ。

 遣隋使、遣唐使の時代、日本人は謙虚な心持ちで茫洋たる海を乗り越え、我が国の仏教、儒教という高度な文明を吸収した。しかしながら、日清戦争が終わった後、「眠れる獅子」と言われていた清朝を打ち倒して、既に強い国になったと意識した日本人は一変する。それからの一連の事件は言うまでもない。

 今日、教科書に載せられた山崎正和さんが書いた「水の東西」を再読した。中から「行雲流水」という熟語が出てくる。「一つの事にこだわらず、一切を成行きに任せる」という意味でも解釈されている。これからの中日関係は既往にこだわらないままで発展するのは当然のことであるが、やはり人々の努力も見逃してはいけない。

 来年は中日国交正常化45周年、再来年は中日平和条約締結40周年を迎える。それから、2020年東京オリンピックが開催する時、中日関係はどこまで進んでいるのか。無論、我が国は中日国交正常化が復帰して以来、弛まぬ平和的な対話で両国関係の発展に取り組んでいる。

 先日、日本人の先生と一緒に昼ご飯を食べた時、魚を注文した先生の前に座った私は、「魚心あれば水心」ということわざをふと思い出した。もしかしたら、まさにこのことわざのように、中日関係の間に春風は再び吹き込むかもしれない。

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