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12月20日 火曜日

2016-12-20 20:27:15     cri    


1時間目 都市部サービス業従事者の所得調査、北京電影学院動画学院で人形アニメの父「持永只仁賞」受賞式

担当:王小燕、斉鵬

 今日の北京は大気汚染指数500!メーターを振り切る数値です。先週末から続いている北京の大気汚染は今日がピークで、冬至の明日(21日)夜から少しずつスモッグが消え、大気汚染が解消するという予報です。青空が帰ってくるのが待ち遠しい!

 今週の番組は先ず「旬な話題」で、都市部のサービス業従事者の所得調査の結果を紹介します。一部の「ブルーカラー」と呼ばれている職種の賃金は人手不足と言うこともあり売り手市場。このため、いわゆる「ホワイトカラー」よりも高いことが分かりました。しかし、サービス業従事者は賃金以外では、依然として社会で弱い立場にあるとみられています。この調査から中国社会のどのような現実が読み取れるのか、斉鵬アナが分析します。

 後半の「スペシャル・バスケット」は、この秋に行われた、北京電影学院動画学院「第16回動画学院賞」の授賞式を取材しました。授賞式では数多くの賞がありましたが、日本人アニメーション監督の名前が冠された「持永只仁賞」は、動画学院賞と同じく今年で16回目を迎えました。

 昨年末の「CRIインタビュー」でも取り上げましたが、持永只仁(もちなが・ただひと)氏(1919-1999)は日本の「人形アニメの父」として知られています。日本で初の多層式アニメ撮影台の開発にかかわり、戦前からアニメーション映画『桃太郎の海鷲』をはじめ、多くの作品の制作に携わりました。高畠勲監督をはじめ、今日の日本アニメーション映画を支えている監督たちに大きな影響を与えているアニメーション作家です。

 1945年5月に、当時、日本の植民地であった中国東北部に渡った持永氏。日本が敗戦した後、1953年まで中国に残り「方明」という中国名で、中国のアニメーション制作と人材育成に尽力しました。日本に帰国後、現場に復帰し、日本やアメリカを拠点に、「ルドルフ 赤鼻のトナカイ」を始め、数多くのヒット作を世に送り出しました。

 1985年8月、北京電影学院に招聘され、「動画コース」の講師として北京に1年間滞在。教え子は、その前の年1984年に同大学「アニメーション専攻」に入学した学生13人でした。この13人の大部分は、後に中国のテレビ・アニメーション制作の主力になり、現在も第一線で活躍しています。

 1999年、持永氏は「アニメーション、アニメーション」とつぶやきながら、永眠しました。奥様は持永氏の遺志として、中国でもらった給与の一部を、アニメーターを目指す若手学生への奨学金として北京電影学院に寄付し、第1回持永只仁賞がスタートしたのです。「持永只仁賞」の設置を受け、13人の教え子は「恩師の名前が冠されたこの賞をずっと継続し、中国のアニメーション事業に果たしたその功績をいつまでも伝えていこう」、と改めて結束しました。

 受賞式では、今年も電影学院の招きに応じて、持永氏の長女・伯子さんが日本から駆けつけました。どのような気持ちで参加したのでしょうか。受賞した学生や、持永先生の教え子の楊登雲さん(北京隆馬弘生動画制作有限公司会長)にも話を聞いてみました。

戦争の時代を潜り抜け、現在も太い絆でつながっている中日文化交流のワンシーンをぜひお聞きください。

2時間目 大野清司さんのテレビ人生⑪~TBS世界遺産ロケ、武凌源・武当山・周口店の思い出

聞き手:王小燕

 前年の世界遺産「黄山」や「曲阜」などの紹介が視聴者の中国への興味を誘いました。この勢いにのり、大野さんはその後も、制作チームとともに中国の世界遺産のロケ=撮影を続けます。

 今回は武凌源、武当山、周口店のロケに関する思い出です。ちなみにこの3箇所は離れていますが、この3本を一気に語るのは、何か理由でもあるのでしょうか?

 テレビの仕事はカメラマン、照明、音響、ディレクター、プロデューサーなど、多くのスタッフのチームワークからなっています。「TBS世界遺産」では、最初はディレクターとして現場に携わっていた大野さん。番組の回数が重なるにつれ、仕事のシフトがプロデューサーへと変わっていきました。そして制作段階が進むにつれ、それぞれの担当者の気持ちに微妙なズレが生じると振り返ります。

 「ロケが終わり、帰国の飛行機に乗ると、カメラマンなどは仕事が終わったので、気楽になりますが、ディレクターはこれからの編集などのことを考え真剣に悩み続けます。満足の行く映像が撮れていない時、荷物室だけが火事になってくれないかと思ったことも」

 一本一本の番組は、どのようにして完成していくのか。制作者として自分の番組をどう評価するのか。今回はベテランの知られざる心の一面に迫ります。

 
武陵源(左)武当山(右)

 
周口店(左)張家界(右)

■大野さんの思い出から

【武陵源】
 主として張家界でロケ。ハリウッド映画「アバター」にも出てきた絶景が有名な景勝地です。ところが、山の絶壁のように見えるここは実は山ではなく、谷なのです。日の出も日の入りも、谷底では撮影ができません。毎日、機材を担いで、がけを登っていかなくてはなりません。体力との勝負でした。

【武当山】
 武術流派の「武当派」の大本山。道教が盛んな山でもあります。90代の女性道士に話が聞けたのは良かったですが…

【周口店】
 正直な気持ちは、そこに「北京原人」がいてくれれば、取材させてもらえるのに・・・しかし、もちろん実際はいないのです。では、どう番組を構成すればよいのか、真剣に悩みました。
 とりあえず、下調べのつもりで北京にある「古脊椎動物と古人類研究所」を訪問。ところが、その受付で思いもよらない出会いがありました。大野さんたちが日本語で話をしていると、足を止めて話かけてくれた人がいました。なんと、その方の紹介で、1930年代に北京原人の頭蓋骨の発掘に参加した考古学者・賈蘭坡氏にご自宅で話を伺うことができることに。翌年、賈先生は約束どおりに、取材に応じてくれます。そして、その翌年に他界されました…

 今回もここでしか聞けない番組制作の秘話が盛りだくさんです。ぜひお聞きください。

 【プロフィール】大野清司(おおの きよし)さん

 1949年、東京都生まれ。
 東京大学卒業後、1974年に株式会社TBS映画社(現社名:TBS VISION)に入社。主にドキュメンターリ番組のディレクター、プロデューサーとして番組制作に係わる。特に、1979年からは海外取材番組を担当し、世界60ヵ国を取材。

 【主な担当作品]】
 ・『美をもとめて』シリーズ、『世界の子供たち』シリーズ
 ・『世界めぐり愛』シリーズ、『世界遺産』シリーズ
 ・『遥かなるアンコールワット』、映画『敦煌』公式記録VTR
 ・中日共同制作『万里の長城』(日本TBS&中国CCTV)
 ・TBS開局40周年記念番組『日本海大紀行』
 ・『緒形拳:シルクロード列車の旅』

 その他、多数

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