理由その1:中国の「名刺」代わりになる都市である
杭州は、中国の伝統と文化を色濃く持つ都市で、まるで中国の「名刺」のような存在です。杭州でのサミット開催は、中国の歴史と文化を参加国の指導者らに紹介する良いきっかけとなるでしょう。
「天に極楽あり、地に蘇州と杭州あり」という言葉が伝えられているほど風光明媚な土地で、西湖、銭塘江、大運河、霊隠寺などの名所旧跡を多く擁しています。また、「白娘子」の伝説や、「梁山伯と祝英台」など、世に知られる物語の舞台となっています。杭州はG20サミットの開催地として、景観、歴史、文化などの要素を備えています。
理由その2:発達したインターネット経済を持つ都市である
G20サミットは世界経済の協力フォーラムでもあるため、開催都市の選定時には、経済の発展が重要な指標となります。杭州は長江デルタ経済区域の中心都市として、その経済発展が注目されています。世界最大の電子商取引企業アリババ・グループの本部も杭州にあります。杭州サミットの開催期間中、大勢の指導者たちが、アリババ・グループを見学に訪れるだろうと予測されています。
杭州は中国でもっとも経済的活力にあふれる都市の一つで、世界銀行の定める「中国都市投資環境最優秀都市」と、アメリカ経済誌『FORBES』による「中国大陸最優秀商業都市」の1位に、長年選ばれ続けています。
理由その3:外交上重要な役割を果たす都市である
杭州は北京や上海と違い、国際会議の開催経験は多くありませんが、中国の外交の歴史において、重要な役割を果たしています。
アメリカのニクソン元大統領が1972年に中国を訪問した際、両国の国交樹立の基礎となる『中米共同コミュニケ』の交渉は非常に難航しました。これを受けて、当時の周恩来首相が交渉継続の会場として選んだのが杭州でした。中米両国は最終的に、杭州の八角楼で共同コミュニケについて合意しました。
近年では、2014年に「中米戦略・経済対話第5回アンチマネーロンダリングとテロ融資セミナー」が杭州で開かれています。また、2015年に中国国家旅遊局が全国旅行活動会議で「旅遊外交」という理念を提唱した際、杭州は全国有数の観光都市として、この「旅遊外交」を実践しました。
民間交流は国家間の友好の重要な基礎であり、旅行は最も良い形の民間交流です。1980年、世界旅行に関する『マニラ宣言』は、「観光は世界平和の鍵となり、相互理解・信頼のための道義と理性的な基礎を与えるものだ」と明確にしました。杭州は中国民間外交の重要な力として、世界の舞台に立つようになりました。(殷、謙)
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