カナダのシンクタンク・CIGIのチーフ研究員は昨年、20カ国・地域(G20)サミットのシンクタンクの一員として、「中国・杭州で開催予定の2016年G20サミットでは低成長、金融市場改革、気候変動という3つの主要議題が焦点となるだろう」との予測を示しています。その内容は以下の通りです。
1.世界経済の低成長
世界経済が低成長の課題に直面している背景下で、一部西側諸国の政策決定者とエコノミストが中国の経済成長速度が低下していると警告した。その一方で、中国の政策決定者とエコノミストはヨーロッパと先進国が構築する経済体の成長減速を懸念している。いかに世界経済の成長を回復させ、安定を実現させるかがG20サミットの重要な議題となっている。
金融危機が起こって以降、世界の経済成長の半分以上を新興市場が占めており、新興市場の成長減速が与える影響の規模が懸念されている。これに対して、中国主導で設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)、および中国が提唱した「一帯一路(シルクロード経済帯と21世紀海上シルクロード)」構想が有効な措置として、G20サミットでの重要議題となるだろう。
このほか、イノベーションの促進による生産効率向上に関する議題も注目を集めている。これは、高齢化の問題に直面している中国を含む多くの国々にとって、生産効率の向上が経済成長につながるからである。
2.世界金融監督管理システムの改革
これは銀行業の現代化、国際通貨基金(IMF)の改革、人民元のIMF特別引出権(SDR)取得などの問題に及ぶものである。広く注目された連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ時期の問題に関連して、資本が新興市場からアメリカなどの先進国や経済体に戻るという懸念が増大している。政策決定者にとっては、世界経済の金融監督と管理、調整が必要であり、G20サミットにおいて金融に関する重要な議題となる。
3.気候変動
中国はこれまで、基本的な枠組みの構築に積極的に参与し、これからの発展のために良好な基礎を築いてきた。杭州サミットでは、各側が更なる進展を収め、協定を結ぶ可能性がある。
(殷、謙)
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