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8月2日 火曜日

2016-08-02 18:39:38     cri    

1時間目 ネットゲーム「オーバーウォッチ」に登場する中国人の「英雄」、大中物産弁論大会日本旅行の感想

担当:王小燕、白昊

 2008年の北京五輪をまだ昨日のことのように感じます。あれから、早2回目のオリンピックイヤー。8月6日北京時間7時に、リオデジャネイロ五輪が幕を開けます。これまでに様々なネガティブ報道があった今回の夏季五輪。開幕と共に、これまでの懸念が吹き飛ばされ、世界中のアスリートたちが活躍できる大会となりますよう願っています。

 今週の番組、「旬の話題」では「英雄、死なず」と題して、世界的な人気を得たネットゲーム「オーバーウォッチ」を取り上げます。このゲームに正義のために尊い命を落としてしまった実在した中国人大学生「宏宇」さんが登場します。彼は、どうしてバーチャルな世界で英雄になったのか等を紹介します。

 「スペシャル・バスケット」は、中国人大学生4人の日本旅行の感想です。

 この4月、北京の中国メディア大学で行われた第10回大中物産杯日本語弁論大会で上位に入った北京大学・葛培媛さん、対外経済貿易大学・全雪珠さん、天津外国語大学・曹冠楠さん、中国伝媒大学・郭昀さんは、7月20日~26日にご褒美の日本旅行にでかけました。

 旅行の初日は、主催者「大中物産株式会社」が中国での日本語教育の推進が評価され、東京の日本外務省飯倉公館で2016年度日本国外務大臣表彰を受けた日です。

 
表彰状授与(東京・飯倉公館)

 河窪社長は表彰について、「参加者と支援者全員に対するグループ表彰と受け止めている。中国側の協力がなければ成功はあり得ない。両国の有志たちが心を合わせて尽力してきた点に大きな意味がある」と語りました。

 大中物産株式会社は1947年に東京で創業。1980年代から中国と貿易を始め、ビジネス提携が深まるにつれ、さらに充実した関係を築こうと弁論大会を始めたということです。

 発案者で1回目から審査員を務める西園寺一晃さんは、「弁論大会は日中双方が密に連携し、共に育ててきたイベント。表彰は、日本政府が民間の力が両国関係の改善における重要な役割であることを評価し、これに高い期待を寄せていることの表れだ」と話しています。

 

 中国では、多くの日本語弁論大会が開催されていますが、「大中物産杯」は上位3名(特別賞があれば4名)が1週間の日本旅行に招待され、同社若手社員が全行程同行するという豪華でアットホームな副賞が贈られることで知られています。

 今回、4人の学生は、日本で何を体験し、どのような感想を抱いて帰国したのでしょうか。

2時間目 転換点に立つマンガ、今とこれからを考える~夏目房之介さんに聞く(下)

聞き手:王小燕

 7月19日に放送した「漱石の孫として」に続き、マンガ評論家・夏目房之介さんインタビューの後半です。今回のテーマは「マンガ」です。

 戦後ベビーブーマーの1人として生まれ、手塚治虫の漫画の影響を強く受けて育ち、自分の人間形成は「マンガによって支えられていた」と言います。手塚氏の死を受け、一気呵成に仕上げた『手塚治虫の冒険―戦後マンガの神々』は、「自分のコンプレックスに向き合う作業でもあった」と振り返ります。

 ベビーブーマーの支えもあり、戦後の日本でマンガは大きく花を咲かせ、巨大なマーケットも出現しました。日本マンガは強力なコミュニケーションツールの1つとなり、世界各地でコアなファンを持っています。それでは、「日本マンガ」と称されているものには確固たる本質があるのでしょうか?各国の人々がイメージしている「日本マンガ」は1つなのか、それともズレがあるか?

 「物事の本質は、自分が思っていることだけでなく、他から見られた時の印象との比較により、初めて冷静に判断できる」

 このような思いから、夏目さんは今年、「日本漫画の受容意識」と題して、世界各地で調査を始めました。その中の一環として6月に訪れた中国では、北京、アモイ、上海という日程の中、大学での講義、中国のマンガ出版関係者との交流、マンガ愛好者向けの講演会などを積極的に行いました。

 

 調査はこれまでに日本、イタリア、中国で実施され、年内にインドネシアやタイでも行う予定。このほか、インターネットでの回答も受け付けていると言います。集計はこれからですが、自らの設問に対して、すでに考えが定まっていることもあるようです。

 「マンガというのは、常に色んな要素を取り込んで成立したもの。大衆向けの娯楽だ。日本漫画に確固たる本質があるという考え方は、ぼくは成り立たないと思っている」、ときっぱりとした口調で語ってくれました。

 また、インターネットが社会のインフラになった今、マンガの出版は大きな転換点にあると言います。

 「消えることはないと思うが、姿は変わると思う。うまいこと転換点を通り抜け、新しい形のものが生まれるのか、まだ見通せない時代。しかし、だから面白い。後で振り返って刺激的な、面白い時代だったと思えるよう、私は望んでいる」

 北京ではマンガ関係者向けに、「日本マンガは何故面白くなってきたのか」と題した講演会を行いました。席上、「一番、伝えたいメッセージ」として、「我々は特定の時代、特定の場所に生まれて、そこを生きるしかない。この条件の中で成功したり、失敗したりするということだ。中国の皆さんは、日本のマンガがどんな風に成長したかということよりも、今、中国の歴史的、社会的条件がどうなっているのかを先に考える必要がある。その上で、中国と日本は漫画やアニメにおいて協力し合えることができれば、より良いのではないかと思う」と語りました。 

 今回も単純明快な房之介節をぜひお聞きください。

【プロフィール】
 夏目房之介(なつめ・ふさのすけ)さん

 学習院大学大学院教授、漫画評論家、漫画家、エッセイスト
 1950年東京生まれ。青山学院大学卒。マンガ、エッセイ、マンガ評論などを手がける。1999年「手塚治虫文化賞特別賞」を受賞。2008年より学習院大学大学院教授。人文科学研究科身体表象文化学専攻で「マンガ・アニメーション芸術批評研究/芸術文化論演習」を担当。
 マンガ表現論という研究領域を開拓しつつ、マスメディアでのマンガの啓蒙活動や海外への日本マンガの紹介なども行う。『マンガはなぜ面白いのか』『手塚治虫の冒険』など数十冊のマンガ研究・評論の著作あり。

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