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1時間目 夏の果物ライチ、「食べないほうがいい」のは、どんな時?!柳美和さんと閻連科さんの「初めまして」

2016-07-12 19:45:11     cri    

担当:王小燕、白昊

 中国では長江流域の大洪水に加えて、台風1号二パルタックが東南沿岸部に大きな被害をもたらしました。日本の沖縄や九州でも大雨になったようですね。今年は台風1号の発生が遅かっただけに、いつもと違い今後が気になります。このあと、被害がでないことを祈っています。

 今日の番組、前半の「旬な話題」は白昊アナが夏の果物・ライチの食べ方を取り上げます。なんと、あの楊貴妃も絶賛していた荔枝(ライチ)は、「食べないほうがいい」時もあります。それは、車を運転する時。なぜかというと、他の果物より遥かに高い糖分とその果皮の独特な構造がポイントです。ある検査に影響を与えかねないというのですが。一体どのようなことなのか、今回も物知りの白アナがその仕組みを解説します。

 後半の「スペシャル・バスケット」は北京で、「初めまして」と題して行われた対談を紹介します。対談したのは日本現代美術家の柳美和(やなぎ・みわ)さんと、フランツ・カフカ賞を受賞した中国の小説家・閻連科(えんれんか)さんです。

 柳美和さんは兵庫県神戸市生まれ、現在、京都造形芸術大学教授。93年に京都で初個展。96年から海外の展覧会にも参加。若い女性が自らの半世紀後の姿を演じる写真作品、「マイグランドマザーズ」シリーズ、年配の女性が祖母の想い出を語るビデオ作品「グランドドーターズ」などを制作したほかパフォーミングアーツの演出も手がけています。この夏は、「やなぎみわステージ・トレーラー・プロジェクト」と称し、中上健次原作の「日輪の翼」を「前代未聞の『デコトラ』演劇」の形で日本各地をツアー中です。6月末に横浜赤レンガ倉庫イベント広場での公演を終え、8月に和歌山県新宮港、香川県高松港、9月に大阪の名村造船所跡地をツアーでまわる予定です。このステージ・トレーラーによる移動式演劇が、今回の対談が企画された重要な背景の1つです。

 一方、閻連科さんは中国河南省出身。現代中国の都市や農村、そこで暮らす人々を取り上げた、批判精神に富む作品の数々は出版されると同時に、毎回話題を呼んでおり、世界各国の言語にも翻訳され、出版されています。2014年、マジックリアリズムの長編小説『受活』(日本語訳『愉楽』)で権威ある文学賞・フランツ・カフカ賞を中国人作家として初めて受賞。これは、2006年に受賞した日本の作家・村上春樹氏に続き、アジアで2人目となりました。

 代表作の『受活』は、ある身障者ばかりが集まり住んでいる架空の村が舞台です。共同体の結成と崩壊、そして、最後は故郷を象徴する「土」に戻っていく流れが、破天荒なストーリーを通して描かれています。

 「受活」という言葉は中国中西部の方言ですが、やなぎさんにとってみれば、「エネルギーに満ちる」という言葉とイコールだと言っています。この作品の持つマジックリアリズム的な批判精神に惹かれ、「いつかこれを舞台にしたい」という思いが、北京日本文化センターのスタッフの耳に入り、今回の対談が企画されたそうです。

 当日の対談は『愉楽』だけではなく、中国と日本におけるアートや文学創作を取り巻く環境、ユートピアへの想像とそのプロセスで時に表れる想定外の影響などについて議論しました。平日の夜なのに、会場いっぱいの来客が押し寄せました。来場者の質問にも答え、ユーモアとウィットに富む楽しい2時間でした。

 ところで、小説の中では、身障者による神業に近い雑技パフォーマンスのシーンがたくさん書かれていて、舞台化する際にまずぶつかる壁だと思われます。「健常者が身障者の真似をして、パフォーマンスをするということだけは、したくはない」と言う柳さんは、どのようにこれを乗り越えようと考えているのか。対談が終わった後にマイクを向けてみました。   

 ところで、柳さんと初めて対面した閻連科さんは舞台化の提案について、とても暖かく次のように話しました。

 「まずは、やなぎみわさんのクリエイティブさに驚き、感動と意外性を感じています。柳さんが30代の時に制作した、若い女性が50年後の自分を見つめるという作品には、未来に対する深い考えが含まれており、感服しました。彼女はたいへん現代性に富んだ作家です。トレーラーを改造した移動式の舞台で、自ら大衆の中に入り込んでいくやり方も素晴らしい試みだと思います。

 『愉楽』の舞台化については、私の原作小説にこだわりすぎずに、自由に創作してもらえればと思います。

 移動舞台車での『愉楽』のステージが完成したら、ぜひ見に行ってみたいです。というのも、こうした形の演劇活動は中国ではまだ聞いたことがありません。今、中国では地方劇をはじめ、伝統芸能がどんどん消えていっていますので、このような斬新なやり方を知ることによって、新たに息を吹き返すことができればと個人的に願っております。きっと中国人のオーディエンスの好奇心を立て、成功を収めることができると信じています」

 ほかにも来場者たちの感想などを聞きました。興味のある方、ぜひ番組をお聞きください。

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