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木版印刷とは、木の板に彫刻刀で反転した文字を彫り、墨を塗り、紙に印刷することです。この木版では主に梨や棗、銀杏の木を使いますが、理想的な木は、木目が細かく彫刻しやすく、長く使うことができ、均等に墨を吸うものです。印刷する紙は、現在、浙江省と安徽省で作られる画仙紙が多く用いられます。また、墨は江西省景徳鎮の磁器窯の松煙盃というものが使われています。この墨の色は真っ黒で、長く保存すればするほどいい香りが出るのです。このような材料と過程を経てできた木版刷りの古書と版本は工芸品でもあり、高い収蔵価値があり、各国首脳への贈り物としてよく使われます。1972年、中日国交正常化の時に毛沢東主席が田中角栄首相に贈った楚辞集注は、揚州市の広陵古籍刻印社が制作したものです。
揚州の木版印刷は唐代に始まり、明代と清代に盛んになりました。腕のいい印刷職人が多くいましたし、官営民営の工場の他にも街の印刷屋もありました。
発明から千年以上が経った現在も、江蘇省揚州市には昔ながらの木版印刷術が残っています。2006年5月20日、木版印刷術は第1期国家級無形文化財リストに登録されました。2009年9月30日に、揚州市広陵古籍刻印社が中国を代表して木版印刷術をユネスコの世界無形文化遺産に申請し、登録されました。
この広陵古籍刻印社は1958年に設立され、現在社員約30人の企業です。主に古書版木の収集・収蔵・整理・補修及び出版、印刷業務を行い、中国最大の和綴本製作の会社で、年間50万冊以上の生産が可能です。設立約60年のこの会社は所蔵の20万枚以上の版木をもとに、「全唐詩」、「昆劇手抄曲本」など5000種類以上の古書と専門書類を印刷しています。
皆さん、世界無形文化遺産の木版印刷術に興味を持ちましたか?揚州には中国木版印刷博物館もあります。出かけてみていつもとは違う揚州の魅力を堪能してください。
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