指導者会合で、アジアキャンパスイベントに関して合意があったことから、三国の大学でもこれらのテーマをめぐってシンポジウムを開いて話し合っています。私も2013年には日本の名古屋大学に赴き、韓国の教授として日本の学生に向けて中国政治に関する講義を行いました。
その時お話ししたのは、孔子の話で、「3人行えば、必ずや我が師あり」というものです。日本でも「他人の振りを見てわが身を直せ」と言われるように、われわれ三国は互いに学び合うべきではないでしょうか。
グローバルな時代、中日韓は文化の共同体ともいうべき生活圏に暮らしており、それぞれの国にはコリアンタウンやチャイナタウンがたくさん存在します。われわれは利益共同体を目指して、人材と文化交流と協力を進めていくべきであり、この人材と文化の共同体は三国交流の土台になるべきだと考えています。また、こうした交流には、すでに目に見えない大きなネットワークが存在していると感じています。
ここで、三国の今後の協力について、私なりにまず四つの基礎的考え方を提示させていただきます。
第一に、計画的共同体ではなく、運命共同体としての関係構築を進めるべきです。東アジアの国々は一方的な交流を行うより、双方向の交流に取り組んでいくべきです。
第二に、協調性のある「共存」と「共生」を越えた、三国による「協生」を求めるべきです。
第三に、三国のアイデンティティーは互いに融合し合うべきです。われわれはマルチなアイデンティティーを持つべきではないでしょうか。孤立したアイデンティティーはもう時代遅れになってしまっていると感じています。
第四に、私は「関係」という言葉が非常に好きです。西洋哲学は個体論ですが、東洋の思想は関係論だからです。まず他人のことを慮ってこそ、自分が存在しうるという考え方です。こうした東洋の思考を身につけ、人間性を育てていくべきだと思います。中国には君子は人の美を成す(他人のためになることは美徳)という言い方があるようです。競争よりも、みんなの利益を考えることが必要です。
これらの考えのもと、三つの提案をさせていただきます。
第一に、いかなる状況下であっても、三国の首脳会談は計画通りに行っていくこと。どんな歴史的な困難にぶつかっても、指導者会合は定期的に行うべきです。
第二に、友好都市の交流を重視し、より多くの市民に「東アジア人」としての身分を認め、東アジア共同体を構築していくべきです。
第三に、青少年の交流が非常に重要になります。次世代の若者はわれわれより良い知恵を持っています。そうした青少年の交流を生かすことは未来の友好につながると信じています。
私は韓国人であると同時に、アジア人であることをよく意識しています。人間関係の基礎は相互信頼にあります。これを基に、すべきこと、すべきでないことを互いによく意識したうえで、中日韓協力国際フォーラムを三国の協力と交流の新しいプラットフォームにしてほしいと願っております。
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |