先日、囲碁の試合が行われ、中国と韓国が決勝に残り、結果、中国がチャンピオンを獲得しました。中日韓の囲碁の試合でした。囲碁は三国の国民がいずれも興味を持つスポーツだと思います。
昔、日本の囲碁界はレベルが非常に高く、中国の棋士に多大な助けを提供してきました。日本の助けがなければ、ここまで来られなかったでしょう。
また、韓国の囲碁のレベルも非常に高いです。今では、三国の棋士には大きな力の差がありません。囲碁はわれら三国において、共通の文化であり、民衆に膾炙している文化の一つです。
李克強首相が韓国を訪問した際も、政府代表団の中には常昊という私の学生が同行し、政府間交渉以外にも、中韓の棋手同士の交流も行われました。
その後、2013年、韓国のパク・クネ大統領が中国を訪問した時、習主席の設けた宴会で、棋士らも招かれました。また、その翌年、習近平国家主席が訪韓の時にも、韓国の棋士が招待されました。習主席が韓国を訪問した際に、習主席が「イ・チャンホが好きなんです。表情を変えず、じっとしている姿は中国では石仏と呼ばれ親しまれています」と言ったことがきっかけで、習主席を歓迎する晩餐会の席にイさんが呼ばれたこともあったほどです。
こういうエピソードから、私は指導者間でも囲碁における交流があるほどならば、三国の関係は悪くならないのではないかと感じています。
また、囲碁という種目は中日関係の発展にも大きく寄与したと言えると思います。囲碁は中国の昔の指導者からも特別な関心を寄せられており、当時陳毅外相が日本との交流協定に囲碁交流を書き込んだほどでした。
1973年には、中日友好協会の廖承志会長が中日友好の船で日本に行きました。その時、周恩来総理が「ぜひ囲碁の棋士の一人を訪日代表団に入れる」と求めました。周総理のこの命令があったことで、文化大革命の時代、人材を見つけるのが困難な中、各地から棋士を見つけて日本に派遣しました。
1979年、私はプロの棋士として、アマチュアの試合に参加し、1位をとりました。福田赳夫さんは、「あなたは1位をとりましたが、私が本当の1位ですよ」と話しました。福田さんは両国名誉8段をもらっていたからです。冗談まじりで 「両国の8段を合わせたら16段だから、自分が1位だ」と仰いました。これには大変深い印象が残りました。
前の世代の中日両国の政治家たちは皆中日友好に多大な関心を寄せました。今、我々が中日友好の使命を担っています。そして、両国国民の好感度がこれだけ低い中、囲碁を通じて中日韓三国の関係を好転させられたらと願っています。囲碁の戦略的な視野から、三国の戦略的大局にも好手を探れたら、それに越したことはありません。
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