鎖国政策が実施されていた江戸時代においても、日本と中国、韓国との交流は途絶えませんでした。日本は朝鮮通信使を派遣し、朝鮮半島との交流を続け、さらに、中国大陸とは日清貿易など、様々なルートを通じて交流が行われ、一度も中断したことはなかったのです。日本の鳥取県の中部地区に八橋海岸というところがありますが、1819年、嵐に襲われた朝鮮の商船がここに避難して来たという記録も残されています。当時、12人の船員が鳥取県民に救われ、熱くもてなされ、長崎まで送られたということで、この逸話は今でも伝わっています。さらに、この逸話は鳥取県と韓国地方政府の交流関係をいっそう緊密にしています。日韓国交正常化50周年にあたる去年、私どもはこのような草の根交流の逸話をまとめて一冊のパンフレットを出版致しました。三国の間で、このような温かい交流の歴史や物語をより多くの人々に知ってもらいたかったのです。これは将来の協力関係を発展させる土台にもなってほしいのです。中国と韓国との交流は貴重な財産を残し、今日の三国関係につながる重要な要素でもあります。われわれは自信を持ってこのような事実を伝えたいのです。
現在、日中韓三国の間での人的往来は、すでに年間2000万人を超えていますが、われわれの目標としては2020年までに、3000万人を達成することを目標にしています。昨年1年間で、中国からの訪日者数は500万人に達し、前年同期比で倍増を果たしました。また、韓国からの訪日者数も前年同期比45%増の400万人に達したということです。いわば、毎年、1万4千人以上の中国の方と1万1千人以上の韓国の方が日本を訪れています。これは未曾有の数字であり、非常に喜ばしいことであります。経済面においても、日中韓3国の協力強化は実り豊かな成果をもたらしています。昨年、私は日本の民間大使とも言われる日本の一般市民を率いて、中国と韓国をそれぞれ訪問しました。韓国を訪れた日本人は1400人で、実際には、もっと多くの人が行きたかったけれども、宴会場の収容制限で1400人しか行けなかったのです。また、ほかにも、3200人の日本人を連れて中国を訪問しました。
政府間レベルでは、我々は多くの難題を抱えていますが、普通の国民は隣国同士の交流を楽しみにしています。我々両国の間は、地理的にも経済的にも、緊密につながっていますが、最も深いつながりは文化にあると思います。今後、我々は、文化のつながりを一層発展させなければなりません。これまで、我々日中韓三国の間で、多くの協力の種が蒔かれてきました。我々三国は、本地域の最も重要な国家として、全力を挙げて協力しなければなりません。我々が直面している地域問題、および国際社会には、共通の課題が多く存在しており、これら問題を解決・克服するためには、協力していかなければなりません。そして、重要なのは、我々が青少年の協力の推進にも取り組まなければならないという点です。青少年たちは、国の未来を担っているからです。
また、これから、我々はどの国が困難に遭っても、我々は直ちに援助の手を差し伸べなければなりません。我々は普段の生活の中で分かっているように、隣人が非常に大事です。国と国の関係の場合、この隣人が最も大事になってきます。そのため、我々三国、三つの隣国の全力を尽くした協力が最も大事なのです。このことを、我々三国の国民にしっかり認識してもらわなければなりません。ですので、我々三国は、互いに対する重要性を十分に認識し、三国が全力で協力しあう関係を構築するべきであると考えております。
最後でございますが、私たちにとっても大変悲しいことをお話ししなければなりません。本フォーラムに参加する予定の、名簿の中に写真も経歴も乗っている若宮さんが急死されました。中国と韓国の皆さんも、若宮さんの活動をよく知っており、朝日新聞での活躍ぶりを高く評価し、深い哀悼の意を表明して頂きました。日本に帰ったら、中韓両国の皆さんからの温かい気持ちを若宮さんのご家族に伝え、哀悼と尊敬の念を語り継いでいきたいと思います。日本側の参加者を代表して、この温かいお気持ちに対して、深く御礼を申し上げたいと思います。
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |