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高建 元韓国総理基調講演(2)

2016-04-29 11:54:26     cri    
 しかし残念なことに、いま、三国の関係は協力や一体化どころか、矛盾と対立の関係に陥っているとみられています。三国の経済依存度が絶えず強まり、人的交流が盛んに拡大されているものの、三国の間では、国境を越えた協力は依然行き詰っており、国境という地理的な枠を超えておりません。「アジア・パラドックス」という現象を乗り越えられていないようです。言い換えれば、中日韓三国の経済や文化の相互依存性は、平和と共栄の実現につながっていないのです。ですから、もっとも重要なことは、北東アジアの三国として、われわれはヨーロッパのように日増しに強まる相互依存性を北東アジア共同体を実現させるカギにしてほしいのです。対立と矛盾と比べ、三国協力の歴史はもっと長いのです。ポスト冷戦の時代に、このような協力の動きがますます具現化されています。

 このようなイデオロギーと軍事の対立を清算する、いわゆる歴史の終わりが、いつか北東アジアに訪れるでしょう。多くの人々はこのような期待を抱いています。中日韓サミットが定期的に行われ、北東アジア経済共同体を実現させるさまざまなフォーラムやあらゆる政治的な動きが大きな役割を果たしています。しかし、最も重要なのは、経済文化の相互依存度の増強に伴い、このような互恵協力関係がより明確になりつつあることです。

 19世紀フランスの経済学者であるフレデリック・バスティアの話では、「富が国境を越えることを許さない限り、軍人が国境を越える」ということで、東アジアの経済、人材、文化の相互依存度が絶えず増進されることは、国同士の摩擦が衝突へとエスカレートすることを防ぐことができます。また、アメリカ・バークレー大学のラスノ教授の話では、東アジアは自然経済の拡散によって、経済と相互理解を土台とした新しい形態、総合的な国際関係ができるだろうともしています。しかし残念なことに、当面の中日韓3国関係はこのような期待に応えられないでしょう。矛盾と対立の影は依然消えておらず、民族主義の対立・領土紛争・軍備競争・歴史問題をめぐるトラブルなど、いずれも地域衝突を招く要因になるだろうとみられています。

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