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張業遂外務次官による開幕式挨拶

2016-04-29 09:18:20     cri    

 尊敬する李肇星会長

 尊敬する許嘉璐様

 尊敬する高建(コ・ゴン)様

 尊敬する二階俊博様

 ご来賓の皆様

 ご紹介を頂きました中国外務省の張業遂でございます。ここでご挨拶させて頂くにあたり、まず、第1回中日韓公共外交フォーラム及び2016年中日韓協力国際フォーラムを開催されますことに対し、中国外務省を代表し、心からのお祝いを申し上げます。また、この場をお借り致しまして、三国の友好協力事業に尽力している各界の方々や関係者の皆様に深く感謝の意を表するとともに、主催者である中国公共外交協会と中日韓三国協力事務局の皆様の準備段階における諸作業に高く賞賛の意を表します。

 中国・日本・韓国はアジアの重要な国家であり、世界の主要経済主体でもあります。三国の総人口はアジアの3分の1、世界の5分の1に達しており、経済総量ではアジアの7割、世界の2割を占め、アジアの経済成長量の70%と世界経済の成長量の36%を貢献しており、世界経済の構図において、国際経済貿易協力の安定した成長の極を形成しております。三国は地理的に近く、相互補完性も強く、近年では経済協力も絶えず拡大し、人材交流と文化交流が日増しに密接になりつつあります。2015年には、三国の貿易総額は6257億ドルに達し、人員の相互往来も2400万人に達しております。このような形勢と局面については、現状を保ちながらも、さらなる進展を遂げるよう願うものであります。

 1999年から始まりました中日韓協力は、東アジア協力の重要な一部分であり、20年余りの蓄積と発展を経た今日、指導者会合を核に、20の閣僚級会議と60以上の実務レベル体制が支える協力システムがすでに構築されております。1997年のアジア金融危機に際しましても、2008年以来のグローバル金融危機に際しましても、中日韓三国は東アジアのその他の国々と助け合い、危機を機会に変え、ともに難関を乗り越えてまいりました。三国間の協力は各自の発展を後押しするだけでなく、東アジアの平和と安定の維持や、地域の発展に積極的役割を果たし、東アジア協力の発展を推進する確実な力となったのです。

 しかしご存知の通り、2012年以来、周知の原因により、三国協力の動きもさまざまな要素の干渉を受け、各領域における協力の動きも減速を余儀なくされました。こうした中日韓協力の紆余曲折はわれわれに重要な示唆を与えてくれました。即ち、二国間関係における歴史などのセンシティブな問題を適切に処理しなければ、三国協力は健全かつ安定した軌道に沿って進むことはできないということでした。

 2015年11月、3年間の中断を経た第6回中日韓指導者会合がソウルで行われました。三国の指導者は、いずれも中日韓協力への重視を強調し、「歴史を正視し、未来を見つめる」という精神に則って、歴史などのセンシティブな問題を適切に処理したうえで、政治・経済貿易・財政・金融・持続可能な発展、人的と文化などの分野における協力関係を拡大させることで合意しました。その会合を経て、三国の関連部門はサミットの成果を積極的に実行に移し、教育相閣僚級会議、環境相閣僚級会議、FTA交渉協議、三国記者団の合同取材、三国若手公務員の交流活動など、一連の事業を催し、各領域における具体的協力の強化に持続的に取り組んできました。今回のフォーラムもまた、中日韓指導者会合の成果を着実に履行する措置であり、中国側の中日韓三国間における人材・文化交流の促進への格別の重視が看取できる動きであると言えます。

 中日韓指導者会合の再開は、三国がこれまでの積み重ねを元に、新たな未来を切り開く決心を示す重要なメルクマールであり、東アジアの地域協力に新たな活力を注ぐものであります。現在、世界経済は依然として広範囲な構造調整段階にあり、回復感に乏しく、国際金融市場も不安定であることや、地政学リスクが上昇傾向にあること、アジア地域全体の発展がアンバランスであることなど、問題が際立っている状態にあります。このような背景の下、三国は中日韓指導者会合再開の勢いに乗じ、会議で形成された共通認識を確実に履行すると同時に、新たなスタート地点から三国協力を推進し、地域の平和と安定の維持や、全世界の発展の促進に向けて更なる役割を果たすべきであると考えます。

 中日韓は、引っ越すことのできない隣人です。三国の協力を確実に深めるには、確固たる政治的基礎と国民による広範な支持が必要となります。中国語には、「土台固まらずば、地揺れ山崩れん」という言葉があります。我々は、歴史を直視し未来を見つめるという精神に則り、周辺のセンシティブな問題、とりわけ歴史問題を適切に処理し、二国間関係の改善に一層取り組むことを通して、三国間協力の政治的基礎を固めなければなりません。我々は大局の利益から着眼し、三国の共通利益が齟齬より遥かに重要であることをしっかり認識し、理性的に互いの発展を見つめていかなければなりません。我々は率直かつ踏み込んだ戦略的意思疎通を通じて、相互信頼を深め、互いに対する不信感を払拭し、無用な猜疑心をなくす努力をすると共に、対話と協力による双方向の安全の促進に取り組むべきでしょう。他にも、我々は、責任ある態度で、世論を正しい方向へ導き、お互いに歩み寄り、妨害要素を排除し、三国の各領域における協力の推進に向けて、理想的な環境を整えていかなければなりません。

 中日韓の協力関係構築には、既に優れた既存の基礎があり、果てしなく広がる発展の余地を有しています。我々は力を結集して、三国の実務協力を新たなレベルに引き上げ、各領域での協力事業の成果を以って国民たちに恩恵を持たらさねばなりません。三国は中日韓自由貿易区交渉を皮切りに、東アジア一体化プロセスの推進に積極的に取り組み、それぞれの強みを十分に生かして、重要な大規模インフラ施設建設などの分野における多国間協力スキームの構築を積極的に推進せねばなりません。中国は、プラント製造のコストパフォーマンスにおける優位性を韓日両国の先端技術、及び周辺国家の発展のニーズと結合させ、生産能力の面での国際協力を展開し、三国協力による新ブランドを創出し、各自の経済成長と世界経済の回復に新たな原動力を注がんと考えております。また、イノベーション強化の政策面における交流を手綱として、中国の革新駆動型発展戦略と韓国の創造型経済政策、日本の科学技術立国政策をリンクさせ、ソフトと情報技術サービス、とりわけモバイルインターネットやクラウドコンピューティング、スマートシティ、ビッグデータなどの分野で協力を強化したく考えております。また、省エネと環境保全、汚染防止対策、生物多様性の保護、循環型経済などの分野における協力を拡大し続け、東アジアにおける貧困削減協力に関する提案を確実に実行し、アジア地域の持続可能な発展と共同発展を促進していかんと考えております。

 中日韓三国には、近しく、通じ合う伝統的文化を有しています。我々は、共に友愛・包容・調和という理念を提唱し、三国協力を支える民意を広範かつ確固たるものにしていかなければなりません。我々は、2020年までに三国の人材交流の全体的な規模をのべ3000万人にする目標を定めています。三国は、数年後に開催予定の夏季五輪と冬季五輪を契機に、五輪経済と観光面での協力事業を展開すべきだと考えます。引き続き「東アジア文化の都」と「アジアキャンパス」などのプロジェクトのブランド効果を生かし、三国の文化交流の範囲を拡大し、「東アジア文化の都」と「ヨーロッパ文化の都」の交流と協力を進めていかなければなりません。三国間でのパブリックプラットフォームの構築を増やし、パブリックリソースの掘り起こしを推し進め、民間レベルのリソースと民衆を動員し、国民間の理解と交流の増進に取り組み、中日韓の各分野における交流と協力に情報面のサポートを提供し、ポジティブなエネルギーを注いでいかなければなりません。 

 中日韓三国協力事務局は、三国協力の重要な成果であります。我々三国は事務局への支持をさらに拡大し、中日韓協力基金の創設など重要なイニシアチブの実施を積極的に検討し、協力強化の拡大のために、より多く・より力強い支持をしていくべきだと考えております。また、事務局もオープンな姿勢で、能力構築に注力し、三国協力の影響力を拡大し、三国協力に理想的世論環境を創造していくよう期待しております。

 中国公共外交協会はその設立以来、中韓公共外交フォーラム・中日地方メディア交流フォーラム・中日韓シンポジウムなど大型イベントを開催し、中日韓三国の協力を促すために積極的努力を払ってきました。私は、中国公共外交協会のような民間組織がより多くの役割を発揮し、三国の友好的交流と協力関係の促進により大きな貢献をするよう期待しております。

 中国には「衆人拾柴火焔高(三人寄れば文殊の知恵)」という俗語がありますが、これは中日韓三国協力にも当てはまるものだと思います。中日韓三国は誠意を持って協力し合い、手を携えて共に前進してこそ、人類が直面している未曾有の問題に立ち向かい、東アジア地域の安定と繁栄を共に構築することができるのです。現在、中国はイノベーション・協調・エコ・開放・共有という新しい発展理念を徹底し、継続発展を最重要課題とし、構造改革を加速させ、経済の中高速成長を維持するための努力を続けています。中国の発展は平和的発展であり、中日韓協力に絶えず新しいチャンスと新たな利益を創造していくものです。ご列席の皆様は、いずれも中日韓三国の協力事業とその発展のプレーヤーであり、当事者であり、そして立会い人でもあります。皆様には、このフォーラムの場を利用し、ぜひ思う存分意見を述べ、良きアドバイスをシェアし、三国の更なる協力を推進するため、個性あるお力添えを賜りたいと存じます。

 ご清聴ありがとうございました!

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